知っておきたいダブルインカムの意味! 貯金や将来に備えるうえでのメリット・デメリット 最終更新日 2020/05/25 マネー ダブルインカムという言葉を聞いたことがありますか? 近い将来、または老後のような少し先の将来を見据えたマネープランを考えようとするとき、知っておきたい言葉です。独身・既婚、子どもの有無、子どもの人数、親と同居など、家族構成が違っても、まとまった金額の収入を得るということは生活をするうえで欠かせません。そこで今回は、ダブルインカムの意味やメリット・デメリット、仕事や生活をするうえで気をつけたいことについてお伝えします。収入面はもちろんのこと、働き方やライフスタイルにも関係してくるダブルインカム。しっかりと理解して将来に備えましょう。 収入源が2つあることを意味する『ダブルインカム』 ダブルインカムを理解するうえで、まず知っておきたいのが言葉の意味です。「ダブル」は、「2つ」を意味するダブルですが、「インカム」については聞いたことはあってもよく知らないという人も多いかもしれません。 ●ダブルインカムとは? ダブルインカムとは、1つの世帯に2つの収入源があることを意味します。インカムとは英語のincomeで、収入のことです。ダブルポケットといわれることもあります。1つの世帯に収入源が1つの場合は、シングルインカムです。具体的には、夫婦共働き世帯なら夫婦それぞれの収入でダブルインカム、専業主婦世帯なら夫の収入のみのシングルインカムです。 ●夫婦共働きとダブルインカムは違うの? ほかにもダブルインカムってあるの? 夫婦共働きはダブルインカムにあたりますが、それ以外にもダブルインカムにあたるものがあります。近年注目を集める会社員などの本業のほかに副業を持つダブルワークがそうです。万が一本業に何かあった場合に備えるケースや、将来的に独立を目指しているケース、本業の収入では不足するために副業を行うケースなどがあります。収入源が2つあるのでダブルワークもダブルインカムです。 金額だけじゃない! ダブルインカムのメリット ダブルインカムの言葉の意味を理解したところで、次にそのメリットについて見ていきましょう。収入の多さはもちろんですが、そのほかにはどのようなものがあるのでしょうか。 ●収入面でのダブルインカムのメリット 当然ながら、ダブルインカムなら収入が多くなるということは最初に挙げておきたいメリットです。収入が多ければ、その分、貯金に回すお金も増やすことができます。少しでも多く貯金に回すことができれば、将来的に発生するかもしれない大きな出費や就労不能による収入ダウンにも、慌てずに対処しやすくなるでしょう。たとえば、教育、住宅に関してはある程度計画ができますが、結婚や妊娠・出産、介護などのライフイベントは突然やってくることがあるかもしれません。 ●万が一の場合や老後に備えることができる 夫婦共働きの場合、どちらかに万が一のことがあっても、もう片方で収入が確保されているというのは大きな安心感につながるといえます。一人でダブルワークの場合、本業か副業のどちらかにトラブルがあっても、収入が途絶えてしまうことはありません。シングルインカムより収入が多いということは、夫婦共働きのダブルインカムでは受け取る年金額も多くすることができます。また、夫婦どちらも雇用保険に加入している場合、「育児休業給付金」もそれぞれ受けることができます。 ●まとまった金額になったら運用するという方法もある コツコツと貯めてきた貯金がまとまった金額になり、さらに余剰資金が出てきたら運用するという選択肢もあります。将来受け取る年金額を増やすことや今の自分のお小遣いを増やすことも、まとまった金額を運用することで捻出できる可能性があります。 意外な落とし穴がある? ダブルインカムのデメリット 次に、ダブルインカムのデメリットを見てみましょう。収入が多いという一方で、見落とさないようにしておきたいことがあります。「こんなはずじゃなかった」とならないように、デメリットもしっかりと知っておきましょう。 ●出費も多くなる 夫婦共働きにしてもダブルワークにしても、収入が上がる分、出費も多くなることがデメリットとして挙げられます。社会保険料を多く支払うことになったり、子どもが小さいうちは保育園などの保育料が高くなったりすることも家計にとっては負担となります。また、教育無償化制度のように所得制限がある場合は対象外となることもあります。 収入のある夫婦のどちらかが家計を全部管理するのとは違って、ダブルインカムの夫婦それぞれで別に管理している場合、お互いつい好きなように使ってしまいがちです。その結果として、実は出費がかさんでいるということが往々にして起こってしまいます。 ●時間に追われる 時間に追われることも、ダブルインカムのデメリットです。夫婦共働きの場合、二人ともフルタイム勤務、どちらかがパートタイム勤務というケースもありますが、いずれにしても働くことに一日の大半の時間を割いているため、お互いに多忙になってしまいます。ダブルワークの場合も、2つの仕事を同時並行で行いますので、そこに時間だけでなく労力も費やすことになります。 子どもがいる場合には、子どもとの時間をゆっくり取るのが難しいこともあるでしょう。仕事に加えて、育児、家事とやることが多く、土日はたまった家事や子ども関係の行事であっという間に過ぎてしまうことが想定されます。 忙しいダブルインカムでも、仕事や生活を上手に回すポイント 毎日忙しく過ごすことが多いダブルインカムのライフスタイルでも、仕事と生活を上手に回すためにできることがあります。時間に追われるなかでも簡単にできることやコミュニケーションのポイントについてお伝えします。 ●家計は見える化しておこう 忙しいとついお金の流れを記録しておくのが面倒に感じるときがあります。今は、カメラでレシートを撮影するだけで入力をしてくれる家計簿アプリがありますし、多くの銀行アプリがスマホで収支を見られるようになっています。せっかく便利なツールがあるのですから、これを活用しない手はありません。ダブルワークの場合は、本業と副業の経費や収支の記録をきちんとわけて管理しましょう。 ●コミュニケーションを大切に! 多忙なためすれ違いがちな夫婦共働きの場合には、特に夫婦間のコミュニケーションが大切です。どちらが何を支払うかという費用負担だけでなく、家事や育児分担などについても話し合っておくことや、スケジュール確認についてもルールを決めておくとよいでしょう。スケジュール共有アプリを使うのも一つの方法です。ダブルワークの場合は、本業の就業規則にある副業の申請についてルールを守り、本業に影響が出ないようにする配慮が必要です。また、本業や本業の職場に支障を来たさないよう体調面や周囲への配慮も忘れずに、職場でのコミュニケーションも大切にしましょう。 ●不測の事態やライフイベントごとに柔軟な対応を! 異動や転勤・転職など、仕事をしていくなかでも自分の状況が変わることがあります。事故や怪我、体調不良ということもあるかもしれませんし、妊娠・出産や介護が始まることもあるでしょう。そのようなライフイベントが起こるたびに、一度決めたルールでも柔軟に見直す必要があります。 ダブルインカムはライフスタイルでもある! よく考えて自分に合った選択を ダブルインカムの言葉の意味そのものは収入源が2つということですが、それだけでなく働き方や将来への備えをどうするかということにつながっていきます。つまり、どのようなライフスタイルを望むのか、マネープラン上のリスクにどのように備えるのか考えておくことともといえるでしょう。お金の余裕は心の余裕につながるといわれます。その一方で、慌ただしさと付き合っていく覚悟が必要です。ぜひよく考えて、自分に合った選択をしてください。