看護師の年収のリアルとは!夜勤や学歴で変わる基本給や手取り額を解説

2025/11/14

看護師の年収は、基本給だけでなく夜勤手当・各種手当・ボーナスなどによって大きく左右されます。さらに、夜勤の有無や学歴(大卒・専門卒)の違い、勤務先の種類(病院・クリニック・美容医療など)によって、収入に大きな差が生まれるのが実情です。

とはいえ、こんな疑問を感じていませんか?

  • 看護師の平均年収や手取り額ってどれくらい?
  • 夜勤なしだと年収はどのくらい下がる?
  • 大卒と専門卒で生涯賃金に差はあるの?
  • 美容クリニックなど高収入職場って実際どうなの?
  • 自分の働き方で年収を上げる方法はある?

この記事では、看護師の平均年収・基本給の内訳・手取り額のシミュレーションをもとに、夜勤あり/なし、学歴別、生涯賃金の違いなどをわかりやすく整理。さらに、高収入を目指せる働き方やキャリアの選び方についても解説します。

看護師の平均年収と基本給の実態

全国で働く看護師の年収は、地域や勤務先、経験年数によって幅がありますが、自分の給与が妥当かどうかを判断するうえで全体像を把握しておくことが大切です。
ここでは、平均年収の目安やボーナス、基本給の構造、年齢・経験別の収入推移まで整理します。

看護師の平均年収と月収・ボーナスの目安

看護師の平均年収は、約490万円前後が全国的な目安とされています。
常勤看護師の平均月収はおよそ33万円で、年間賞与が約90万円ほど加算されることで、年収ベースでは490万円程度に到達します。

この金額には夜勤手当や各種手当も含まれており、実際の年収は勤務先や働き方によって差が出ます。たとえば、大学病院や総合病院では賞与が4か月分を超えることもありますが、クリニックや小規模施設では年収が400万円前後になることもあります。
全国平均の年収を目安としながら、自分の働き方や施設の特性によって、どの程度の年収が見込まれるのかを具体的に見極める視点が大切です。

基本給の水準と手当の内訳(夜勤手当・残業代など)

看護師の基本給は平均して22万〜24万円程度とされ、ここに各種手当が加算されて毎月の給与が構成されます。
代表的な手当としては、夜勤手当(1回あたり8,000円〜15,000円)、準夜・深夜手当、資格手当、住宅手当、危険手当などがあり、とくに夜勤の有無は月収に大きく影響します。

たとえば、夜勤が月4〜6回ある常勤看護師であれば、それだけで月に3万〜6万円ほど上乗せされるケースが一般的です。
また、急性期病棟などでは残業手当の割合も多くなり、勤務内容によって手取りが変動します。
基本給の額面だけで判断せず、手当の種類や支給条件も含めて総支給額を把握することが重要です。

年代別・経験年数別にみる年収推移

看護師の年代別収入

看護師の年収は、年齢や経験年数に応じて段階的に上昇していく傾向があります。
20代前半では400万円前後からスタートするケースが多く、30代では470万円〜500万円、40代以降は520万円以上に届く水準が一般的です。

夜勤や役職が加わることで、さらに50万円〜100万円程度の差が生じることもあり、管理職層や長年勤務するベテラン看護師では600万円を超える例もあります。
収入の伸びは年功序列的な傾向を持ちつつも、勤務先の種類や地域によって差があります。
将来的な収入を見据える上では、早い段階からキャリア設計を意識し、職場選びや昇給制度の仕組みにも目を向けることが大切です。

年代・経験年数 平均年収の目安
20代前半(新人〜5年目) 約400万円前後
30代(中堅層) 470万円〜500万円
40代(ベテラン層) 520万円以上
50代・管理職層 550万〜600万円以上

看護師の年収から見る手取り額!夜勤あり・なしでの違い

看護師の年収や月収を把握しても、実際に手元に残る金額がどれくらいなのかを知らなければ、生活設計は立てづらいものです。
ここでは、夜勤の有無や扶養条件などによってどのように手取りが変わるのかを、具体的なシミュレーションをもとに解説します。

夜勤ありの場合の平均手取り額シミュレーション

夜勤の有無の給料

夜勤を含む常勤勤務の看護師は、手取りで月25万〜28万円程度が一般的な目安です。
たとえば、月収35万円の看護師が夜勤手当を含んだ給与を受け取る場合、社会保険料や税金を引いた後の手取りは約27万円前後になります。

夜勤手当は月に4〜6回で3万〜6万円程度が加算されるため、基本給よりも数万円多い支給額が見込まれます。実際には、厚生年金・健康保険・住民税・所得税などが控除されるため、額面より20%程度差し引かれる形になります。
夜勤ありの勤務では、身体的な負担が大きい反面、月2万〜4万円程度の上乗せが期待でき、経済的な安定を重視する場合には大きな選択肢となります。

夜勤なしの場合の手取り額と生活への影響

夜勤を行わない常勤看護師の手取りは、月20万〜23万円程度が平均的です。
日勤のみの看護師は、夜勤手当が加算されないため、月給ベースで3万円〜5万円ほど少なくなります。

たとえば月収28万円の場合、控除後の手取りは22万円前後となり、夜勤ありの勤務と比べて年間で40万円以上の差が生じることもあります。
生活費や貯金への影響も大きく、ひとり暮らしや家庭を支える場合には家計への余裕が変わってきます。
ただし、夜勤なしの勤務は生活リズムが安定しやすく、家庭や育児との両立がしやすいメリットもあります。

扶養条件や残業時間で変わるリアルな手取り

看護師の手取り額は、扶養の有無や残業時間によっても大きく変動します。
たとえば、配偶者控除を受けている場合や扶養家族がいる場合には、所得税や住民税の負担が軽くなり、手取りが数千円〜1万円以上変わることもあります。

また、月に10時間〜20時間の残業が発生する場合には、残業手当が2万円〜3万円加算されるため、年収全体に与える影響も無視できません。
医療機関によっては残業代が定額支給のケースもあるため、求人票では「固定残業制」や「みなし残業制」の表記に注意が必要です。

勤務時間や家庭状況など、自分のライフスタイルに合わせた働き方を選ぶことが、最終的に最適な手取り収入につながります。

勤務形態 月収(額面) 手取りの目安 特徴
夜勤あり(常勤) 約35万円 25万〜28万円 夜勤手当で+3万〜6万円、収入安定だが身体的負担が大きい
夜勤なし(常勤) 約28万円 20万〜23万円 収入は低めだが生活リズム安定、家庭との両立向き
扶養あり・残業少なめ 条件により変動 +数千円〜1万円 税負担軽減で手取り増
残業多め(月10〜20時間) 基本給+2万〜3万円 20万〜29万円 残業代で年収増加だが負担も大きい

大卒と専門卒の違いが年収に与える影響

看護師になるためのルートは主に「専門学校卒」と「大学卒」がありますが、最終学歴によって給与や昇進のスピード、生涯年収に差が出ることがあります。
ここでは、初任給の差や役職への影響、生涯を通じた収入差に焦点を当てて整理します。

大卒看護師と専門卒看護師の初任給の差

大卒看護師は専門卒よりも初任給が高く設定される傾向にあります。
多くの医療機関では、基本給の算定において最終学歴が加味されており、専門卒が月給21万〜22万円前後に対して、大卒では23万〜24万円程度からスタートするケースが一般的です。

初任給にして月1.5万〜2万円、年間では20万円〜25万円ほどの差が生じるため、若手時代から給与面に差が出る構造になっています。
ただし、これらの差は地域や医療機関によって異なり、職能給制度を採用している場合は能力や経験が優先されるケースもあります。

看護師としてのキャリアをスタートする時点で、学歴による給与の差は確実に存在しており、初任給の段階から収入に影響が出ることを理解しておく必要があります。

学歴 初任給(月給) 年間差額
専門卒 21万〜22万円
大卒 23万〜24万円 約20万〜25万円高い

昇給や役職昇進で差が出るポイント

大卒と専門卒では、昇進や役職への登用において待遇に差がつくことがあります。
大規模病院や大学病院では、看護師長・主任・副看護部長といった役職に昇進する際に、学歴が昇進基準の一つとして考慮されるケースがあります。

管理職を目指す場合には、業務経験やリーダーシップに加えて、大学での学びや論文発表歴、看護研究への関与などが評価対象になることもあります。
そのため、同じ経験年数でも大卒の方が役職に就くチャンスが早く訪れる環境が整っていることも少なくありません。

また、昇給制度においても、等級制度がある職場では、学歴に応じた昇給スピードの違いが明示されているケースもあります。
中長期的なキャリアアップを目指す場合、学歴が昇進や昇給の速度に影響する可能性があることを視野に入れておくことが重要です。

  • 管理職登用の際に学歴が考慮される場合がある
  • 大卒は主任・看護師長などへの昇進が早い傾向
  • 昇給スピードに学歴差を設ける職場も存在

大卒と専門卒の生涯賃金シミュレーション

生涯年収で見ると、大卒と専門卒では最終的に数百万円の差がつく可能性があります。
仮に40年間看護師として勤務した場合、初任給と昇給の差、役職手当、ボーナス支給額の違いなどが積み重なり、生涯で400万〜800万円程度の差が生まれることもあります。

特に役職に就く頻度が高い大学病院や総合病院では、管理職手当が年間50万〜100万円単位で上乗せされるため、長期的に見るとその差はさらに広がります。

ただし、専門卒でもスキルを磨き続けたり、認定看護師や専門看護師の資格を取得したりすることで、大卒と同等以上の収入を得ることも十分に可能です。
生涯賃金に差が出る傾向はありますが、働き方やスキルアップ次第で逆転も可能なため、学歴だけにとらわれず柔軟にキャリアを築いていくことが大切です。

看護師の年収アップを実現できる働き方と職場選び

看護師が高収入を目指せる働き方

看護師として年収600万円以上、あるいは800万円以上を目指す場合、従来の病棟勤務だけでは限界があります。
ここでは、収入を大きく伸ばしている看護師に多い職場の特徴や、稼げる働き方の選択肢について具体的に紹介します。

美容外科や自由診療クリニックの高収入事例

美容外科クリニックなどの自由診療分野では、年収600万円〜800万円台を実現する看護師も珍しくありません。
この分野では保険診療と異なり、施術単価が高く利益率も高いため、インセンティブ制度や歩合制を導入している職場も多く、実力次第で収入が大きく伸びる仕組みが整っています。

とくに、美容点滴・医療脱毛・二重整形など人気メニューを扱う大手美容クリニックでは、看護師の役割も多岐にわたり、技術力と接遇力の両方が評価される傾向にあります。
また、営業スキルや指名件数が給与に反映されるケースもあり、稼げる看護師になるための評価制度が用意されています。

高年収を狙いたい場合には、美容医療分野で経験を積みながら、インセンティブがある職場を選ぶことが収入アップの近道になります。

職場 年収目安 特徴
美容外科クリニック 600万〜800万円以上 インセンティブや歩合制あり/人気メニューによる需要増
自由診療クリニック 550万〜750万円 施術単価が高く、接遇力・営業力が給与に直結

訪問看護・企業看護師など稼げる選択肢

夜勤以外の道でも、年収を上げられる職場として訪問看護や企業看護師の選択があります。
訪問看護は利用者数に応じてインセンティブが支給される仕組みを採用している事業所も多く、月収40万円〜50万円に達するケースもあります。
オンコール対応が必要な場面もありますが、回数に応じた手当や別途支給があるため、収入に直結しやすい環境です。

また、企業で働く産業看護師や治験関連の業務(CRC)などは、日勤のみで年収500万〜600万円が期待できる求人も存在します。
特に、外資系企業や製薬会社では給与水準が高く、福利厚生も整っているため、安定的に高収入を得やすい傾向があります。

  • 訪問看護:インセンティブ制で月収40万〜50万円に到達可能
  • 産業看護師:日勤のみで年収500万〜600万円水準の求人あり
  • 治験関連業務(CRC):外資系企業や製薬会社で給与・福利厚生が充実

ライフスタイルに合わせて、夜勤に頼らず高収入を実現できる職場を選ぶことも、将来的な選択肢として有効です。

管理職や専門資格取得で収入を伸ばす方法

看護師としてのキャリアを長期的に築く中で、管理職や専門資格の取得によって収入を伸ばす道もあります。
看護師長や副看護部長などの管理職に昇進すれば、年収600万円以上を安定して得られるようになり、病院によっては年収800万円台の待遇も期待できます。

また、認定看護師や専門看護師の資格を取得することで、専門性の高い分野で手当や役職加算を受けられる職場もあり、資格手当として月3万〜5万円が支給されるケースもあります。
近年では、緩和ケア・糖尿病看護・訪問看護などの分野で認定看護師のニーズが高まりつつあり、専門性を武器にして給与を上げる環境も整っています。

収入面で上を目指すなら、日々の業務経験に加えて、資格や役職といった実績の積み上げが大きな鍵になります。

自分に合った働き方で年収アップを目指そう

看護師の年収は、基本給だけでなく夜勤手当やボーナス、勤務先の制度によって大きく変わります。
また、学歴やキャリアの進め方によっても生涯収入に差が出るため、自分に合った働き方を見つけることが収入面の満足度を高めるうえで重要です。

美容医療や訪問看護、企業看護師などの選択肢や、専門資格・管理職を通じて高年収を目指すルートも多様に存在します。
自分のライフスタイルや将来設計に合った職場や働き方を見直すことで、年収アップを実現できる第一歩を踏み出しましょう。

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