介護士の年収はどれくらいか解説!手取りの額と年収の中央値を紹介

2025/12/15

介護士の年収は、職場や地域による差が大きく、手取り額にギャップを感じる人も多い現実があります。

「自分の年収は平均より高い?」「手取り額って実際どのくらい?」「どうすれば収入を増やせる?」と疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

こんな悩みや疑問を感じていませんか?

  • 介護士の年収って実際いくら?手取りはどの程度?
  • 常勤と非常勤でどのくらい差があるの?
  • 年収を上げるにはどうすればいい?
  • どんな施設や資格が収入アップに有利?

この記事では、介護士の平均年収・手取り・年収中央値をデータに基づいて整理したうえで、
収入を左右する要因や、年収アップに効果的な働き方・資格・転職方法までをわかりやすく解説します。

介護士の平均年収・手取り・年収中央値を解説(説明強化版+表)

介護士の平均年収・手取り・年収中央値

介護士の収入は働き方や職場によって大きく変わるため、平均年収だけを見ても「自分は高いのか低いのか」が分かりにくいことがあります。
収入の実態を理解するためには、手取り額や年収中央値など複数の指標を確認し、今の収入がどの位置にあるか把握することが重要になります。
基本データを整理すると、収入を上げるためにどの働き方が向いているか判断しやすくなります。

雇用形態別の介護士の平均年収・手取り・年収中央値

常勤と非常勤で異なる介護士の年収

介護士の収入を最も大きく左右するのが「雇用形態」です。
常勤(フルタイム)は夜勤手当や賞与が支給される施設が多く、年収が高くなりやすい一方、非常勤(パート)は勤務時間が短く手当がつきにくいため、年収に大きな差が生まれます。

令和6年度調査では、常勤の平均月給は338,200円と報告されており、年収に換算すると約405.8万円になります。
また、非常勤の平均月給は196,060円とされ、年収は約235.3万円にとどまります。

手取りは社会保険料や税金を引いた後の「実際に使える金額」であり、一般的には額面の80%前後になることが多いです。
そのため、常勤の手取りは月に約27万円前後、非常勤では約16万円前後が目安になります。

雇用形態 平均月給 推計平均年収 推計年収中央値 推計手取り月給 推計手取り年収
常勤 338,200円 4,058,400円 3,611,976円 270,560円 3,246,720円
非常勤 196,060円 2,352,720円 2,093,921円 156,848円 1,882,176円

常勤と非常勤の年収差は100万円以上になることが多く、収入を上げたい場合は常勤化が第一歩となりやすいです。

職場別の介護士の平均年収・手取り・年収中央値

介護士の給料は「どの施設で働くか」によっても大きく変わります。
夜勤の有無、手当の種類、職場の収益構造が異なるため、施設形態ごとに年収の傾向があります。

たとえば、特養や有料老人ホームなどの入所施設は夜勤があるため手当が増え、月給が高くなりやすい傾向があります。
一方、デイサービスのような日中のみのサービスは夜勤がない分、給与が低くなりやすいです。

職場 平均月給 推計年収 推計年収中央値 推計手取り月給 推計手取り年収 特徴
特養 361,860円 4,342,320円 3,864,665円 289,488円 3,473,856円 夜勤が多く昇給も比較的安定
老健 352,900円 4,234,800円 3,768,972円 282,320円 3,387,840円 医療と介護の中間で手当が豊富
訪問介護 349,740円 4,196,880円 3,735,223円 279,792円 3,357,504円 加算の対象になりやすい
デイサービス 294,440円 3,533,280円 3,144,619円 235,552円 2,826,624円 夜勤なしで給与が低め
デイケア 319,310円 3,831,720円 3,409,231円 255,448円 3,065,376円 医療連携が必要で比較的高め
特定施設入居者生活介護 361,000円 4,332,000円 3,855,480円 288,800円 3,465,600円 有料老人ホームなどで給与が高い

施設選びによって年収差は最大80万円以上生じ、転職で収入が改善するケースが非常に多いと言えます。

勤続年数別の介護士の平均年収・手取り・年収中央値

勤続年数は給与に直結します。
経験を積むほど夜勤回数が増えたり役割が広がったりするため、勤続が長いほど年収は上昇します。

たとえば、勤続1年では月給約29万円ですが、勤続20年以上では 38万円超 となり、20年の差で月給が8万円以上アップしています。
年収に換算すると 約100万円以上 の差になります。

勤続年数 平均月給 推計平均年収 推計年収中央値 推計手取り月給 推計手取り年収
1年 298,760円 3,585,120円 3,189,757円 239,008円 2,868,096円
3年 316,080円 3,792,960円 3,375,734円 252,864円 3,034,368円
5年 331,010円 3,972,120円 3,534,187円 264,808円 3,177,696円
10年 337,300円 4,047,600円 3,602,364円 269,840円 3,238,080円
15年 359,090円 4,309,080円 3,833,082円 287,272円 3,447,264円
20年以上 382,520円 4,590,240円 4,084,314円 306,016円 3,672,192円

勤続が長くなるほど昇給・役職手当が増え、年収が確実に伸びていく構造になっています。

性別・年代別の介護士の平均年収・手取り・年収中央値

年代・性別でも収入差が見られます。
男性は夜勤入りしやすいため、30〜40代で給与が伸びやすい傾向があります。
女性は家庭状況によって働き方が変わりやすく、収入が横ばいになりがちです。

区分 平均月給 推計年収 推計年収中央値 推計手取り月給 推計手取り年収
男性 40〜49歳 377,200円 4,526,400円 4,028,496円 301,760円 3,621,120円
女性 30〜39歳 328,020円 3,936,240円 3,503,254円 262,416円 3,148,992円
女性 50〜59歳 338,220円 4,058,640円 3,610,690円 270,576円 3,246,912円

年代が上がるほど責任ある仕事が増え、夜勤や役職手当の影響で収入が高くなる傾向があります。

資格別の介護士の平均年収・手取り・年収中央値

介護士の資格の有無で広がる年収差

資格取得は、介護士が年収を上げるうえで最も効果が大きい要素です。
各種手当が上乗せされるため、月給・年収ともに明確な差が生まれます。

資格 平均月給 推計年収 推計年収中央値 推計手取り月給 推計手取り年収 特徴
社会福祉士 397,620円 4,771,440円 4,246,582円 318,096円 3,817,152円 最高水準
ケアマネ 388,080円 4,656,960円 4,146,694円 310,464円 3,725,568円 調整・計画の専門職
介護福祉士 350,050円 4,200,600円 3,738,534円 280,040円 3,360,480円 現場の国家資格
実務者研修 327,260円 3,927,120円 3,494,137円 261,808円 3,141,696円 ステップ資格
初任者研修 324,830円 3,897,960円 3,469,184円 259,864円 3,118,368円 初級
無資格 290,620円 3,487,440円 3,103,822円 232,496円 2,789,952円 最低水準

資格の有無だけで年収が100万円以上変わるケースは珍しくありません。
年収アップを目指すなら資格取得は強力な武器になります。

都道府県別の介護士の平均年収・手取り・年収中央値

介護士の年収は働く地域によって大きく異なり、同じ仕事でも年収差が100万円以上になることがあります。
地域差は物価水準や賞与額、施設の規模、自治体の支援策など複数の要因によって生まれます。
各都道府県の傾向を整理すると、転職や働き方を考える際に自分に合う地域を選びやすくなります。

都道府県別の介護士の平均年収・手取り・年収中央値

介護士の年収は、都道府県ごとに大きくばらつきがあります。
年収が高い県では人材確保競争の激しさや賞与額の大きさが影響し、
年収が低い県では物価水準の低さや施設規模の小ささが影響します。

区分 都道府県 平均月給 平均賞与 推計平均年収 推計手取り月給 推計手取り年収
上位1 神奈川県 314,400円 633,400円 4,406,200円 251,520円 3,524,960円
上位2 東京都 318,400円 528,600円 4,349,400円 254,720円 3,479,520円
上位3 石川県 283,100円 648,500円 4,045,700円 226,480円 3,236,560円
上位4 静岡県 271,500円 723,200円 3,981,200円 217,200円 3,184,960円
上位5 福井県 269,500円 713,400円 3,947,400円 215,600円 3,157,920円
下位1 鹿児島県 238,200円 418,100円 3,276,500円 190,560円 2,621,200円
下位2 宮崎県 236,800円 453,600円 3,295,200円 189,440円 2,636,160円
下位3 長崎県 235,700円 487,900円 3,316,300円 188,560円 2,653,040円
下位4 高知県 238,700円 493,100円 3,357,500円 190,960円 2,686,000円
下位5 秋田県 243,200円 447,700円 3,366,100円 194,560円 2,692,880円

上位県と下位県では年収が100万円以上違うため、地域の選択は収入に大きく影響します。

介護士の給料と年収は今後どうなる?

介護士の給料は制度の変更や人手不足の進み方によって変わりやすく、今後の方向性を知っておくことが安心につながります。
給料が上がりやすくなる背景には、介護士の数が足りない状態が続いていることや、国が処遇改善を進めていることがあります。
流れを理解すると、将来どれくらい給料が伸びるのか、そして収入を増やすためにどんな働き方が有利なのか判断しやすくなります。

今後の介護士の給料の見通し

  • 人手不足が深刻化し、施設が離職防止のため給与を上げる必要がある
  • 厚労省調査で平均月給が1年で約6,800円上昇と報告されている
  • 国が「介護士の処遇改善を継続する」と明言している
  • 今後も高齢者が増え需要が拡大し、給与上昇圧力が続く

介護士の給料は、今後も少しずつ上がり続ける見込みがあります。
その一番大きな理由は、人手不足が全国で深刻になっているためです。

介護職員が足りない状況が続くと、施設は働いている人を辞めさせないために給料を上げる必要が出てきます。
実際に、厚生労働省の調査では介護士の平均月給が 1年間で約6,800円上がっている と報告されており、少しずつ改善が進んでいます。
これは、国が「介護士の処遇改善を続ける」と明言しているため、今後も同じ流れが続きやすいと考えられます。

さらに、2025年以降も高齢者が増え続けるため、介護サービスの需要はさらに大きくなります。
需要が増えるほど施設が人材を確保しづらくなり、結果として 給料を上げざるを得ない状況 が生まれます。
ただし、給料の上がり方には働く場所によって違いがあります。
夜勤がある施設や、処遇改善加算をしっかり受け取っている法人では、給料が伸びやすい傾向があります。
反対に、デイサービスのように夜勤がなく手当が少ない施設は、給料の伸びはゆるやかになります。
つまり、給料が上がる流れ自体は続いていますが、伸びるスピードは働く場所によって変わります。
将来の収入を増やしたい場合は、給与が伸びやすい施設や資格を意識して働くことで、収入アップのチャンスを大きくできます。

介護士の年収を上げるために効果的な方法を紹介

介護士の年収アップに効果的な方法

介護士の年収は働き方・資格・職場選びによって大きく変わるため、改善できるポイントを知ることで年収アップにつながります。
収入が伸びない理由を正しく理解すると、努力しても上がらない働き方と、行動すれば収入が上がる働き方の違いが見えてきます。
効果が高い方法を組み合わせると、年収アップのスピードを大きく上げることが可能になります。

資格取得やキャリアアップで収入を上げる

資格 推計平均年収 推計手取り年収 特徴
社会福祉士 約477万円 約381万円 相談援助の専門職で給与水準が高い
ケアマネ 約465万円 約372万円 ケアプラン作成で責任手当が増えやすい
介護福祉士 約420万円 約336万円 現場の国家資格で手当が豊富
実務者研修 約392万円 約314万円 介護福祉士へのステップ資格
初任者研修 約389万円 約311万円 初級資格で給与差は小さめ
無資格 約348万円 約278万円 資格ありと比べ年収差が大きい

年収を上げるために最も効果が大きいのが、資格取得によるキャリアアップです。
資格があると手当がつきやすく、担当できる仕事が増えるため、月給と賞与が自然に高くなります。
たとえば、介護福祉士を取得すると資格手当がつく上に、夜勤や責任者業務を任される機会が増え、年収が数十万円単位で伸びることがあります。
さらに、ケアマネジャーや社会福祉士のような専門資格を取得すると、計画作成や相談業務が中心になり、現場の負担を減らしながら収入を伸ばすことも可能です。
資格は一度取得すれば長く使えるため、将来にわたって安定した収入アップが期待できます。
これらの理由から、資格取得は年収アップへの近道といえます。

夜勤回数や働き方で賃金を上げる

  • 夜勤手当は1回5,000〜8,000円前後で回数が増えるほど収入が上がる
  • 日勤のみでは昇給幅が限られ年収が伸びにくい
  • 交替勤務は手当が積み重なり月収が1〜3万円以上増える場合もある
  • 負担を抑えるため夜勤回数を調整しながら働くことが重要

夜勤を増やすことは、短期間で年収を上げやすい方法です。
夜勤手当は1回あたり5,000円〜8,000円前後になる職場が多く、回数が増えるほど月給が確実に上がります。
日勤のみの働き方では基本給と手当の上昇が限られるため、年収が伸びにくい傾向があります。
反対に、夜勤や早番・遅番を組み合わせた交替勤務では手当が積み重なり、月給が1万〜3万円以上増える場合もあります。
ただし、体力や睡眠リズムが乱れやすい働き方でもあるため、健康を守りながら無理のない範囲で調整することが大切です。
夜勤の入り方を計画的にすることで、負担を抑えつつ収入を増やせます。

施設選びで年収を変える

施設種類 特徴 推計平均年収
特養 夜勤が多く手当が豊富 約434万円
老健 医療との連携が強く手当が多い 約423万円
訪問介護 加算が反映されやすく給与が安定 約419万円
デイサービス 夜勤なしで給与が低め 約353万円
有料老人ホーム 賞与が高い法人が多い 約433万円

介護士の年収を大きく左右するのが、どの施設で働くかという選択です。
特養や老健などの入所施設は夜勤手当がつくため年収が高くなりやすく、有料老人ホームの中には賞与が手厚い法人もあります。
一方、デイサービスのように日勤中心の職場は働きやすい反面、夜勤がないため収入が低めになります。
また、処遇改善加算をしっかり受けている法人では給与に反映される額が大きくなるため年収が伸びやすい傾向があります。
施設選びを変えるだけで年収が50万円以上変わるケースもあるため、転職を検討する際には施設の種類と加算取得状況を確認することが重要です。

地域の選択で収入を最大化する

地域 推計平均年収 特徴
東京・神奈川 約430〜440万円 給与競争が激しく高水準
静岡 約398万円 賞与が全国トップクラス
石川 約404万円 地方でも賞与が高い
九州地方(鹿児島など) 約330万円前後 給与水準は低いが物価も安い

介護士の給料には地域差が大きく、働く都道府県を変えるだけで年収が100万円以上変わる場合があります。
都市部は物価が高く生活費も増えますが、介護職の給与競争が激しいため月給・賞与ともに高くなりやすい傾向があります。
地方でも、賞与が高い法人や規模の大きな法人を選ぶことで高収入をめざせる可能性があります。
地域を変えることは大きな決断ですが、収入を優先したい場合は非常に効果が高い選択肢になります。

介護士の転職で年収アップを実現しよう

介護士の年収は施設ごとに差が大きく、転職によって年収が50万〜100万円以上変わることがあります。 夜勤手当が多い施設や、処遇改善加算を十分に取り入れている法人は給与が高くなりやすいため、職場を変えるだけで収入が改善する可能性があります。

また、賞与が高い法人や、スタッフを多く配置して余裕を持たせている施設は、働きやすさと収入の両方が期待できます。 求人票だけでは分からない情報も多いため、複数の施設を比較しながら、自分に合う働き方を探すことが大切です。

転職サイトを活用すると、地域ごとの相場や年収が高い施設の特徴をまとめて把握できるため、効率よく条件を絞れます。 相談することで自分の希望に合う職場を探しやすくなり、収入アップのチャンスも広がります。

収入への不安がある場合は、まず情報収集から始めるだけでも選べる働き方が増え、納得できる年収に近づきやすくなります。

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