准看護師から正看護師になる方法とは!働きながらだと何年かかるかや違いを解説

2025/11/28

「准看護師のままで、この先も働き続けられるのだろうか…」「正看護師を目指したいけど、働きながら学ぶのは現実的に可能なの?」と、キャリアの選択に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

とくに、制度見直しの動きや職場での待遇差を感じる場面が増える中で、“正看護師になった方がいいのでは”という思いが強くなっている方も少なくありません。

こんな疑問を感じていませんか?

  • 准看護師から正看護師になるには、何年かかるの?
  • 働きながらでも無理なく進学できる方法はある?
  • 正看護師になると、どんな仕事や待遇の違いがある?
  • 制度改定で、今後はどう変わっていく?
  • 今のうちに動いた方がいい理由は?

この記事では、准看護師と正看護師の違い、資格取得のメリット、働きながら学べるルートと必要年数、かかる費用や支援制度まで詳しく解説します。

准看護師と正看護師の違い

准看護師と正看護師の違い

准看護師と正看護師の違いを理解することは、キャリアアップの第一歩です。

資格の区分や業務範囲、働き方の選択肢が変わるため、違いを明確に把握することで将来的な進路を判断しやすくなります。資格の取得ルート・業務内容・給与やキャリアの差、そして制度改定の流れを整理し、なぜ多くの准看護師が正看護師を目指しているのかを解説します。

資格取得ルートと認可機関の違い

結論として、准看護師と正看護師では資格を発行する機関と取得までの過程が大きく異なります。准看護師は都道府県知事が免許を交付し、主に高校卒業後や社会人が通う看護学校で2年間学ぶことで資格を取得します。

一方で、正看護師は厚生労働大臣が発行する国家資格であり、大学や専門学校(3年制・4年制)で所定のカリキュラムと臨地実習を修了し、国家試験に合格する必要があります。

項目 准看護師 正看護師
免許交付機関 都道府県知事 厚生労働大臣
養成課程 2年制(高校卒業後や社会人入学が多い) 3〜4年制(大学・専門学校・短大など)
取得方法 都道府県実施の試験に合格 国家試験に合格

この違いは、制度上の目的に起因しています。准看護師は地域医療に貢献する実践的な人材を育成することを目的としていますが、正看護師は全国的に統一された基準のもとで、より高度な医療行為を担う専門職として位置づけられています。

将来的により幅広い看護領域で活躍したい場合は、正看護師資格の取得が重要です。

准看護師と正看護師の業務範囲・責任・給与の差を比較

准看護師と正看護師の違いは、医療現場での役割と責任範囲にも表れます。准看護師は医師や正看護師の指示のもとで業務を行う補助的な立場であり、注射・点滴などの医療行為を単独で判断することはできません。

一方で正看護師は、患者の状態を観察し、看護計画を立て、実施・評価までを主体的に行うことができます。この責任の差は給与にも反映されており、キャリア形成や職場での役職登用にも影響します。

比較項目 准看護師 正看護師
業務範囲 医師・正看護師の指示のもとで補助的な医療行為を行う 看護計画の立案から実施・評価までを主体的に行う
責任範囲 上位職の指示に従って行動 自ら判断し、チームをリードする立場
平均年収 約390万円前後 約470万円前後

准看護師は補助的な役割が中心のため、責任や判断権限に制限があります。一方で正看護師はチーム医療の中心として責任を持つ分、給与やキャリアの幅も広がります。より高い専門性と安定した収入を得たい場合、正看護師資格の取得は大きな転機となります。

正看を目指す人が増えている背景と制度改定の流れ

近年、准看護師から正看護師を目指す人が増えている背景には、医療の高度化と制度の変化があります。厚生労働省は、看護教育の質を全国で均一化するために、准看護師制度の段階的な見直しを進めています。

特に、進学課程や通信制の入学条件を実務経験5年以上に統一するなど、准看護師が正看護師を目指しやすい環境整備が進んでいます。

  • 看護教育の標準化を目的とした准看護師制度の見直しが進行中
  • 通信制・進学課程の入学条件を「実務経験5年以上」に統一
  • 病院採用では、より専門性の高い正看護師資格を求める傾向が強化
  • 将来的に准看護師制度の縮小・統合が検討されている地域もある

また、病院の採用傾向としても、より専門性の高い正看護師資格を求めるケースが増加しています。将来的に医療の現場でリーダーシップを発揮するためには、正看護師資格の取得が欠かせない流れになっているといえます。

制度の変化を踏まえ、早い段階で正看護師を目指すことが長期的なキャリア安定につながります。

働きながらでも可能!准看護師から正看護師になる主な方法と必要な年数

准看護師から正看護師になる方法

准看護師として働きながら正看護師を目指す場合、学び方や通い方によって必要な年数が大きく変わります。主なルートは、進学2年課程・通信制課程・定時制(夜間3年課程)の3つで、それぞれに実務要件や学習スタイルの特徴があります。

社会人でも無理なく続けられる仕組みを整理し、自分に合ったルートを選ぶための判断材料を紹介します。

2年課程(進学コース)の概要と実務要件

結論として、最も一般的で確実なルートは「進学2年課程」です。この課程は准看護師免許を持ち、3年以上の実務経験がある人が対象となります。看護学校や専門学校の進学コースで2年間学び、卒業後に看護師国家試験を受験します。

このコースは、働きながら通う学生も多く、勤務先の病院と連携して勤務調整を行うケースもあります。また、実務経験を通じて基礎看護スキルを身につけているため、授業内容を現場に結びつけながら学べる点も特徴です。

学費はおおよそ100万円前後ですが、病院の奨学金制度や専門実践教育訓練給付金を活用すれば負担を軽減できます。進学2年課程は、最短で正看護師資格を取得できる安定したルートであり、現場経験を活かしながら学びたい人に適しています。

通信制課程の条件と2026年からの実務年数「5年」ルール

通信制課程は、働きながら正看護師を目指す人にとって最も柔軟な学び方です。現行制度では、准看護師として7年以上の実務経験が必要ですが、2026年4月以降は要件が「5年以上」に短縮される予定です。この制度改定により、より多くの准看護師が早い段階で進学できるようになります。

  • 理論科目は自宅で学習し、定期的に学校で面接授業・臨地実習を受ける
  • 面接授業・実習は数日〜数週間単位で実施(仕事の休みを調整して受講)
  • 学費は約70〜90万円、在籍期間はおおむね2年
  • 自己管理能力が必要だが、家庭・仕事と両立しやすい

通信制は時間と場所の制約が少なく、家庭や仕事を両立したい人に向いていますが、自己管理能力が求められます。制度改定後はさらに受講しやすくなるため、早めに要件や学校の募集時期を確認することが重要です。

定時制(夜間3年課程)の特徴とスケジュール例

夜間課程は、昼間は仕事を続けながら夜に通学するスタイルです。このルートは、准看護師としての実務経験を積みながら学びたい人に選ばれています。授業は夕方から夜間(18時〜21時など)に行われ、3年間で修了できます。

授業内容は全日制と同等で、解剖生理・看護理論・臨地実習などを幅広く学びます。臨地実習は昼間に行われるため、勤務先の協力が不可欠です。そのため、勤務先の病院が夜間課程進学者に対して休暇支援や奨学金を設けているケースもあります。

項目 内容
授業時間 平日18:00〜21:00(週4〜5日)
修業年限 3年間
臨地実習 昼間に実施(勤務先との調整が必要)
特徴 教員や仲間との関わりが強く、モチベーションを保ちやすい

定時制は通学の負担がある反面、教員や仲間との関わりが強く、モチベーションを保ちやすい点が特徴です。授業や実習のスケジュールを事前に把握し、仕事とのバランスを取ることで、3年間で無理なく資格取得を目指せます。

期間・学習方法・実習日数・費用の違いは?3つのルートを比較

正看護師を目指す3つのルートは、それぞれ学び方や費用、期間に特徴があります。全体像を把握しておくことで、自分に最も合う選択肢を明確にできます。

ルート 学習期間 実務要件 主な特徴 学費の目安
進学2年課程 2年 実務3年以上 最短ルート。授業と実習の両立がしやすい 約100万円
通信制課程 約2年 実務7年以上(2026年から5年以上) 働きながら学べる柔軟な形式。自己管理が必要 約70〜90万円
夜間3年課程 3年 実務経験不要 通学制で仲間との学びが充実。勤務先の協力が必要 約120万円

この比較からもわかるように、働きながら資格取得を目指す場合は通信制か夜間課程の選択が現実的です。ただし、勤務先との調整や学費支援制度の有無によっても負担は変わります。

将来的な働き方や生活スタイルを踏まえて、最も無理のないルートを選ぶことが成功の鍵です。

准看護師から正看護師を目指す場合の学校選びのポイントと費用負担の減らし方

正看護師を目指す際は、どの学校を選び、どのように費用を抑えるかを最初に明確にしておくことが大切です。同じ資格を取得しても、学習スタイルや支援制度の違いによって学びやすさや費用負担が大きく変わります。

働きながらでも無理なく学べる学校選びの基準と、費用を抑えるために活用できる制度を紹介します。

通信・夜間・全日制のどれがいい?自分に合った通学形態を選ぶ基準

学びを続けるうえで、自分の生活リズムと働き方に合った通学スタイルを選ぶことが最も重要です。通信制は仕事や家庭と両立したい人に向いており、学科は自宅で学び、面接授業や実習のみ通学する形式です。

夜間課程は、昼間に勤務しながら通いたい人に適しており、仲間と学びを共有しやすい環境があります。一方で全日制は最短で正看護師資格を取得できるルートですが、学業中心の生活になるため仕事を続けるのは難しくなります。

通学形態 特徴 向いている人
通信制 自宅学習中心。スクーリングや実習のみ通学。 家庭・仕事と両立したい人
夜間課程 夕方〜夜に通学。3年間で修了。 日中に勤務を続けながら学びたい人
全日制 学業中心で最短取得が可能。通学負担が大きい。 集中して学びたい人・学費を自費で準備できる人

自分がどのくらい学習時間を確保できるかを考えることが選択のポイントです。通いやすさや授業スケジュールの柔軟さ、国家試験対策のサポートも含めて判断すると、後悔のない進学計画を立てられます。

学校選びで確認すべきカリキュラム・実習環境・通学負担

学校を選ぶときは、学びの内容や実習環境、通学のしやすさまで総合的に確認する必要があります。看護師養成課程では、看護理論や医療倫理などの基礎学習に加えて、臨地実習で現場経験を積むことが必須です。

チェック項目 確認のポイント
カリキュラム 国家試験対策や臨地実習の内容が充実しているか
実習環境 実習先が通いやすい場所か、勤務先と提携しているか
サポート体制 勤務調整・奨学金・学習支援などの制度があるか
通学負担 授業時間帯や交通アクセスが自分の生活に合っているか

勤務先との連携が強い学校であれば、シフト調整や実習時の休暇支援を受けられることもあります。学校説明会や卒業生の体験談を参考にし、自分の生活に合う環境かを具体的にイメージすることが大切です。

学費の相場と主な支援制度(専門実践教育訓練給付金・自治体奨学金)

学費の支援制度

正看護師を目指す際の学費は、進学課程・通信制・夜間課程のいずれを選ぶかで異なります。2年課程では約100万円、通信制では70〜90万円、夜間課程では120万円前後が一般的です。教科書代や実習費などを含めると、総額でさらに10〜20万円程度の追加費用が発生します。

制度名 概要 支給・免除内容
専門実践教育訓練給付金 国の指定養成校で学ぶ社会人対象の給付制度 最大学費の70%支給(上限112万円)
自治体奨学金 地域の医療機関や看護協会が設ける支援制度 返済免除条件あり(卒業後に地域勤務など)
勤務先奨学金 病院が進学を支援する制度 勤務継続で返済免除されるケースもあり

これらの制度を併用すれば、実質的な自己負担を大幅に軽減できます。事前に申請条件や支給スケジュールを確認し、入学後の金銭的な不安を減らしておきましょう。

給付金を活用した場合の費用相場

給付金や奨学金を上手に活用することで、実際の自己負担額を大きく抑えることが可能です。たとえば、進学2年課程で100万円の学費がかかる場合でも、専門実践教育訓練給付金を活用すれば実質負担は30〜40万円程度に減ります。

さらに、勤務先の奨学金制度や自治体支援を併用すれば、返済免除を受けられるケースもあります。こうした制度を活かすには、入学前に「給付対象校であるか」「申請期限に間に合うか」を早めに確認しておくことが大切です。

支援制度を組み合わせることで、無理なく学費をまかなうことができ、仕事と学習の両立を現実的に進められます。費用を理由に進学をあきらめるのではなく、制度を味方につけて正看護師への一歩を踏み出すことが成功の鍵となります。

准看護師から正看護師になるメリット

正看護師になるメリット

正看護師を目指す最大のメリットは、働き方と将来の選択肢が大きく広がることです。資格の違いによって、任される業務の幅・責任・収入・キャリア形成のすべてが変わります。資格取得によって得られる4つの具体的なメリットを整理し、長期的なキャリア視点から正看護師を目指す価値を解説します。

給与・待遇・昇進などキャリア面の向上

正看護師資格を取得すると、給与や待遇が大きく改善されます。多くの医療機関では、正看護師と准看護師で基本給に数万円の差があり、賞与や昇給にも影響します。また、正看護師は役職や専門職への昇進対象となり、主任・リーダー・管理職などキャリアアップの道が開けます。

項目 准看護師 正看護師
平均年収 約390万円 約470万円
昇進・役職 主任・リーダー職への昇格は限定的 主任・看護師長・管理職など昇進が可能
雇用安定性 非正規・パート勤務が多い傾向 正社員・常勤勤務の求人が中心

厚生労働省の賃金構造統計によると、正看護師の平均年収は約470万円、准看護師は約390万円と約80万円の差があります。この差は年齢が上がるほど広がる傾向にあり、長期的な収入面での安定につながります。収入と責任の両面で成長できる正看護師資格は、キャリアの中核を築く重要なステップです。

スキル・知識の拡大でできる仕事の幅が広がる

正看護師になると、看護計画の立案や実施、患者への指導など、判断を伴う業務を自分の裁量で行えるようになります。准看護師は医師や看護師の指示のもとで行動する立場ですが、正看護師は患者の状態を評価し、適切な処置を選択・実施する責任を持ちます。

業務内容の比較 准看護師 正看護師
看護計画 指示のもとで実施 自ら立案・評価まで行う
患者指導 医師・看護師の補助として関与 独自に指導・教育を行う
専門分野での業務 一般病棟・介護施設が中心 手術室・ICU・訪問看護など幅広い

このスキルアップは、訪問看護・手術室・集中治療室などの専門分野で働く際にも役立ちます。自ら判断し行動できる立場になることで、仕事へのやりがいも増し、患者やチームから信頼される存在として成長できます。

医療現場での信頼性・責任の違い

正看護師は医療チームの中心的存在として、患者対応や医師との連携を主導できます。准看護師は業務上の制限があるため、リーダーシップを発揮する場面が限られますが、正看護師はチーム全体をまとめる立場を担うことができます。

また、正看護師が多い職場ほど、患者や家族からの信頼も厚く、専門的な相談を任される機会が増えます。自身の判断で行動できる分、責任は重くなりますが、その分だけ仕事への誇りと成長実感が得られます。看護の専門職として信頼される存在になることは、キャリアの安定と充実の両方をもたらします。

長期的にみたキャリア安定と転職・独立の選択肢

正看護師資格を持つことで、転職市場での選択肢が格段に広がります。医療機関だけでなく、企業・教育機関・行政など、看護の知識を活かせる職場が増えるため、ライフステージに合わせた働き方が可能です。

  • 訪問看護ステーションやフリーランス看護師として独立できる
  • 企業・学校・自治体など非臨床分野でのキャリアも選べる
  • 夜勤や勤務形態を調整し、家庭と両立しやすくなる
  • 制度変化にも影響を受けにくく、安定した職業基盤を確立できる

特に、夜勤を減らしたい人や家庭との両立を重視したい人にとって、正看護師資格は働き方の自由度を高める鍵となります。将来的に医療制度や雇用形態が変化しても、資格を持っていることで安定した立場を維持できます。

正看護師になることは、一時的な収入増にとどまらず、生涯にわたるキャリアの安定と可能性を広げる投資です。

准看護師から正看護師を目指すのは難しい?現実と将来性はあるのか

准看護師から正看護師を目指すには、時間や費用の負担が伴いますが、その先には確かな成長と安定があります。正看護師になることで、任される仕事の幅や責任が広がり、給与や働き方の自由度も向上します。

今後は医療現場でより高い専門性が求められ、正看護師資格の重要性はさらに高まる見通しです。制度改定が進む今こそ、現場経験を活かして学び直しに踏み出す好機といえます。

将来のキャリアを自分の意志で選べるようになることが、正看護師を目指す最大の価値です。挑戦には努力が必要ですが、その先には「専門職としての自立」と「生涯安定したキャリア」が待っています。

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