大卒看護師の年収が知りたい!大卒の平均年収や手取りの推移・収入アップの方法も解説

2025/11/28

看護師として大卒で就職したけれど、こんな疑問や不安を感じていませんか?

  • 大卒の看護師って年収は高いの?専門卒とどのくらい違う?
  • 初任給や手取り額の差は実際どれくらい?
  • 年収を上げたいときは何をすればいいの?
  • 転職や資格取得で収入は本当に伸びるの?

結論として、看護師の年収は大卒かどうかで多少の差はありますが、勤務先や夜勤手当、役職・資格の有無による影響の方が大きいのが実情です。

この記事では、大卒と専門卒の初任給や年収の違い、手取り額の推移、昇進・転職による収入アップ方法など、看護師の年収を左右するリアルな要素を整理して解説します。

大卒看護師の年収はどれくらい?専門卒や他職種との違いとは

看護師の年収は学歴や勤務先の条件によって異なります。大卒と専門卒の初任給には一定の差がありますが、その差額は一般的な印象ほど大きくはありません。

また、同じ医療職でも他職種と比較すると、責任や勤務体制に応じて収入構造が異なる傾向があります。

ここでは最新の統計データをもとに、大卒看護師の年収と専門卒・他職種との違いを整理します。

大卒と専門卒の1年目看護師の平均年収の違い

大卒看護師の年収はどれくらい?専門卒や他職種との違いとは

大卒看護師の1年目の年収は、専門卒よりやや高い水準にあります。

区分 平均基本給 総支給額(手当・賞与込み)
大卒看護師 約215,000円 約284,000円
専門卒看護師 約210,000円 約276,000円
差額(月あたり) 約5,000〜6,000円 約8,000円

日本看護協会の調査では、1年目の平均基本給は大卒が約21万5千円、専門卒が約20万9千円であり、月あたり6千円前後の差が確認されています。
地域手当や夜勤手当、賞与を含めた総支給額では、大卒が約28万4千円、専門卒が約27万6千円と、1か月あたり約8千円の開きです。

この差を年収に換算すると、大卒が約340万〜350万円、専門卒が約330万〜340万円程度で、年間10万円前後の違いになります。
数字としては決して大きくはありませんが、確実に差が存在しているのも事実です。

したがって、初任給段階では大きな収入差を期待するよりも、学歴が将来的な昇進やキャリア形成にどう影響するかを視野に入れて判断することが現実的です。

大卒1年目看護師と全職種の平均年収の違い

大卒1年目看護師と全職種の平均年収の違い

大卒看護師の年収は、同世代の一般企業の大卒平均よりやや高めの水準にあります。

職種区分 平均初任給(月額) 推定年収(賞与込み)
大卒看護師 約215,000円 約340万円前後
大卒全職種平均 約223,000円 約320万円前後

厚生労働省の調査によると、大卒全職種(男女平均)の初任給は約 223,000円、年間賞与を含む推定年収はおよそ 320万円前後 です。
これに対し、看護師の初任給は大卒で 215,614円 とほぼ同水準ながら、夜勤手当や特殊勤務手当が加算されるため、実質的な月収・年収は上回るケースが多くなります。

また、看護師は安定した需要があり、業界全体の給与下落リスクが少ないことも他業種との違いです。
初任給時点では僅差でも、勤務年数に応じた昇給幅は看護職の方が広い傾向にあります。

大卒看護師の年収は、一般的な大卒社会人よりも安定的かつやや高水準に推移しやすい職種と言えます。

大卒看護師の初任給に過度な期待をしない

大卒看護師であっても、入職初期の段階では大きな収入差を期待するのは現実的ではありません。

看護師の給与は、学歴よりも夜勤回数や配属部署による手当の有無で大きく変わります。
新卒の大卒看護師は、入職してすぐに夜勤や責任の重い業務に入ることが少なく、慣らし期間として日勤中心の勤務が続くため、手当の支給が限られるケースが一般的です。

また、病院ごとに給与テーブルが統一されていることも多く、同じ病棟で働く専門卒と初任給にほとんど差がない状況も珍しくありません。
収入面よりも、教育体制や将来的な昇進機会など、学歴によって得られる長期的なメリットを重視することが賢明です。

大卒という肩書きは、初年度の給与を押し上げる要素ではなく、将来的に専門職や管理職としてキャリアを築くための基盤として捉えるのが現実的です。

看護師の年収や手取りは大卒だとどう推移する?影響する条件も解説

大卒看護師の手取りは、年次や勤務形態、病院の規模によって大きく変化します。

基本給が年々上がっていく一方で、夜勤手当や各種控除の影響により、実際の受け取り額には個人差が生じます。

ここでは、専門卒との昇給差や管理職昇進、勤務先の条件が年収に与える影響を整理します。

大卒看護師の基本給は年々上がっていく

大卒看護師の基本給は年々上がっていく

大卒看護師は、経験年数や役職に応じて昇給幅が広く、専門卒よりも長期的に高い年収を得やすい傾向があります。

厚生労働省の調査によると、看護師の平均基本給は勤続年数とともに右肩上がりで推移し、勤続10年以上の層では初任給の約1.4倍程度まで上昇します。
とくに大学病院や公的医療機関では、大卒者が管理職候補として評価されやすく、主任・係長クラスで年収600万円を超えるケースもあります。

一方で、専門卒は早期就職による経験年数の優位性があるものの、昇進ポジションや給与テーブルが限定される傾向があります。
学歴差は初任給時点では小さいものの、昇格・役職手当の有無で数年後には年収50万〜100万円程度の差がつく場合があります。

大卒は昇進や役職機会の広さを背景に、年次とともに安定して給与が上がりやすい点で優位性を持ちます。

勤務地や設置主体、病院規模で変わる給与水準

勤務地や設置主体、病院規模で変わる給与水準

看護師の給与は、勤務先の所在地、病院の設置主体、そして病床規模の3つの要素によって大きく変わります。

  • 勤務地:首都圏や関西圏の方が地方より給与が高い
  • 設置主体:国立・公立・大学附属は高水準、民間は差が出やすい
  • 病院規模:大規模病院は手当が多く、クリニックはやや低め

まず、勤務地別に見ると、首都圏や関西圏など大都市では生活コストに合わせて給与水準が高く設定されており、地方都市との差は年収で30万〜50万円程度に及ぶ場合があります。
都市部では夜勤回数が多い傾向もあり、手当の面でも収入が上がりやすくなります。

次に、設置主体の違いです。大学附属病院や国立・公立病院は、給与テーブルや賞与支給が安定しており、初任給・年収ともに高水準です。
一方、民間の中小病院や医療法人は、経営規模によって給与が抑えられる傾向があります。
ただし、民間病院では昇給スピードが速い場合や、成果に応じた評価制度があるなど、個人の努力が収入に反映されやすい特徴もあります。

最後に、病床規模の違いです。400床以上の大規模病院では夜勤手当や資格手当などが充実しており、勤務年数に応じて年収が上がりやすくなります。
反対に、クリニックや介護施設など夜勤が少ない職場では、給与は安定するものの、総支給額は比較的低めになる傾向があります。

勤務地・設置主体・病院規模の3要素を踏まえて職場を選ぶことで、生活水準と収入バランスの取れた働き方を実現できます。

夜勤の有無が年収に影響する

夜勤の回数と手当の支給条件は、看護師の手取りを最も大きく変える要素です。

夜勤1回あたりの手当は、平均で7,000円〜15,000円程度が相場です。月に6回行う場合、年間で約60万円〜100万円の差が生じます。
夜勤体制の違い(二交代制・三交代制)でも支給額は変動し、夜勤の回数が多いほど総支給額は増えますが、体力的負担も大きくなります。

また、夜勤を少なくする働き方を選ぶと年収は下がりますが、日勤中心の職場では精神的・身体的な安定が得やすく、長期的に働き続けやすいというメリットがあります。
給与面だけでなく、健康維持やワークライフバランスも含めた判断が重要です。

夜勤は短期的には収入を増やす手段ですが、長期的なキャリアを見据えて負担と収入のバランスを考えることが大切です。

看護師として大卒で働くメリットと悩みとは!年収との関係も整理

看護師として大卒で働くメリットと悩み

看護師として働くうえで、大卒であることには明確な強みがある一方で、現場で感じやすい苦労や葛藤も存在します。

昇進やキャリア形成の面では優位に立てる反面、人間関係や職場文化とのギャップに悩むケースも少なくありません。

ここでは、大卒看護師の立場から見たメリットとデメリット、そして長く働くために意識しておきたい考え方を整理します。

大卒看護師であることのメリット

大卒看護師はキャリアの選択肢が広く、昇進や専門資格取得の機会にも恵まれています。

  • 知識を体系的に学べるため、キャリアの選択肢が広い
  • 主任・係長など管理職候補として早期に評価されやすい
  • 保健師資格や認定看護師などの上位資格を取得しやすい

四年制大学で学ぶことで、看護理論やマネジメント、リーダーシップに関する知識を体系的に習得できる点が強みです。その結果、臨床現場だけでなく教育・研究・管理職など多様な領域に進む道が開かれています。
とくに大学病院や公的機関では、大卒者が主任・係長クラスへの昇進候補として早期に評価される傾向があります。

また、大学で取得できる保健師資格や認定看護師への進学制度を活用しやすいのも大卒の利点です。
将来的には教育担当や看護管理職として年収600万円以上を目指すキャリアも現実的です。

学術的知識とキャリア拡張性を持つ大卒看護師は、長期的なキャリア形成において専門卒より有利な立場を築けます。

大卒看護師であることのデメリット

大卒看護師は、学歴ゆえの職場ギャップや人間関係のストレスに悩みやすい傾向があります。

  • 専門卒が多い職場では「大卒だから優遇される」と見られやすい
  • 知識はあるが実践力が足りないと評価されることがある
  • 大学進学による年齢差で同期より年上になる場合がある

現場では専門学校出身者が多数を占めるため、同僚や先輩との間で「大卒だから優遇される」といった印象を持たれることがあります。
特に、新人研修や配属初期では「知識はあるが実践力が伴わない」と見られやすく、実務適応までに時間がかかる場合があります。

さらに、大学進学による年齢差で同期よりも年上で入職するケースもあり、チーム内での立場や関係構築に苦労することもあります。
職場の人間関係や文化的な摩擦は、離職理由の上位に挙げられることが多い要素です。

大卒の知識的優位は現場での信頼構築とは別問題であり、現場経験を積む姿勢や協調性がキャリア継続の鍵となります。

大卒看護師として働くうえで重要な考え方

学歴よりも「どのように経験を積むか」が、看護師としての評価と将来の収入を左右します。

看護の現場では、知識よりも実践力・判断力・チームマネジメント力が重視されます。
学歴はあくまでスタート地点であり、臨床経験を重ねて信頼を築くことが、昇進や専門職への推薦につながります。

特に、教育担当やリーダー職を目指す場合は、患者対応やスタッフ指導を通じて評価を積み重ねることが不可欠です。
また、大学で学んだ理論や研究思考を現場改善に活かす姿勢を見せることで、職場からの信頼を得やすくなります。

大卒の知識を現場の改善や後輩指導に結びつける姿勢を持つことで、キャリアの安定と年収向上の両立が可能になります。

大卒看護師が年収を上げるためにできること

大卒看護師が年収を上げるためにできること

大卒看護師が年収を上げるためには、学歴だけに頼るのではなく、勤務環境の選び方やキャリア形成の工夫が重要です。

給与を伸ばす手段は複数ありますが、昇進・資格取得・勤務形態・転職など、それぞれの方法に明確な特徴とリスクがあります。

ここでは、現実的に年収アップを実現するための具体的な行動を整理します。

管理職昇進や資格取得でキャリアアップを目指す

昇進や資格取得は最も確実に年収を上げられる手段であり、安定したキャリア形成にもつながります。

看護師の給与体系は、役職と専門資格の有無によって大きく変動します。主任・係長クラスになると年収は600万円前後、看護師長では700万円を超えるケースもあります。
さらに、認定看護師や専門看護師などの資格を取得すると、手当が月1〜3万円上乗せされ、資格手当が昇給に直結します。

また、大学卒であれば、管理職候補として早期にマネジメント研修やリーダー職への登用機会を得やすく、教育・研究分野への転身もしやすい点が強みです。
学術的なスキルや研究発表の経験を積むことで、昇格評価に有利に働きます。

資格取得や昇進に向けた中長期的なキャリア設計を行うことで、年収を伸ばしながら専門性と安定性を両立できます。

夜勤や残業を増やして収入を積み上げる

夜勤や残業は短期的に収入を上げる最も即効性の高い方法です。

夜勤1回あたりの手当は平均7,000〜15,000円、残業代は時給換算で基本給の1.25倍前後に設定されています。
月に6回の夜勤を行えば、年間で約80万〜100万円の手当が加算される計算になります。

また、救急・集中治療室などの高負荷部署では夜勤回数が多く、リーダー業務手当や危険手当も支給されるため、総支給額が年間で120万円以上上がるケースもあります。

ただし、夜勤や長時間勤務は体調管理に注意が必要です。
慢性的な疲労がパフォーマンス低下や離職リスクにつながる可能性もあるため、無理のない勤務調整が求められます。

夜勤や残業は即効性が高い手段ですが、健康と両立できる範囲でバランスを取りながら活用することが重要です。

給料が高い職場へ転職する

転職は、勤務環境を変えることで年収を根本的に改善できる現実的な選択肢です。

同じ看護師資格でも、勤務先によって年収差は100万円以上に及ぶ場合があります。
公的医療機関や大学病院では安定性が高い一方、民間の美容クリニックや企業内医務室では給与水準が高めに設定される傾向があります。

特に美容外科・美容皮膚科では、夜勤がなくても年収500〜600万円を目指せる職場も多く、ワークライフバランスを保ちながら収入を増やせます。

また、転職時には「賞与実績」「夜勤手当の額」「残業代の支給基準」「資格手当の有無」などを比較し、求人票の条件だけでなく、実際の支給実績を確認することが大切です。

最近では、看護師専門の転職サイトやエージェントも充実しており、非公開求人や年収交渉を代行してくれるサービスを活用すれば、効率的に条件の良い職場を探せます。

転職は収入面の改善に直結する強力な手段であり、自分のライフスタイルや働き方に合った職場を選ぶことで、長期的な満足度も向上します。

大卒看護師は年収アップが可能!後悔しない選択を

大卒看護師の年収は、初任給段階では専門卒との差が小さいものの、昇進・資格取得・勤務条件によって将来的に大きな差が生まれます。

学歴はスタート地点の一要素にすぎず、現場での経験や働き方の選択が収入を決定づけます。

資格取得や転職など、自身のキャリアを主体的に設計することで、年収アップと働きやすさの両立が可能です。

この記事を通じて、自分の立場や希望に合ったキャリアプランを描き、将来後悔しない選択を取れるようにしましょう。

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