看護師を辞めたい人へ!看護師が辞める理由と後悔しない辞めどきとは?

2025/10/24

「夜勤がつらくて、このまま続けられるか不安」「人間関係に疲れた…もう限界かもしれない」看護師を辞めたいと感じているのは、あなただけではありません。看護師の84.5%が離職を考えた経験があり※、その理由も年代や状況によってさまざまです。

  • 他の看護師はどんな理由で辞めたいと思っているのか?
  • いつ辞めれば損をしないのか?
  • 「辞めたい」と思うのは甘え?
  • 退職の手続きやお金はどうなる?
  • 辞めた後、どんな選択肢がある?

看護師を辞めたいと考える人のために、他の方が辞める理由や辞めどきの見極め方、退職後の選択肢を解説します。

※参考:ふじのくに静岡看護師求人ナビ「辞めたい理由、全部言います」看護師が語るリアルな離職理由

看護師が辞める理由や辞めたいと感じる瞬間とは?年代別の違いも解説

看護師として働く中で「もう辞めたい」と感じる瞬間は、多くの人に訪れます。その背景には、体力的・精神的な負担だけでなく、人間関係のストレスや仕事の責任の重さなど、さまざまな要因が絡み合っています。

また、20代の新人看護師と、30〜40代の中堅・ベテラン層とでは、「辞めたい」と思う理由やタイミングに違いがあるのも事実です。まずは統計データをもとに、看護師が辞めたくなる主な理由を整理し、自分の悩みの背景を客観的に把握していきましょう。

統計データから見る看護師が辞めたい理由TOP5

看護師が辞める理由

看護師が辞めたくなる理由には、明確な傾向があります。複数のアンケート調査から、離職理由の上位に挙がるのは以下の5つです。

看護師が辞めたい理由TOP5
  1. 1人間関係の悩み

    医師からの高圧的な態度、ベテラン看護師からの嫌味、同僚との衝突など、 職場の人間関係は年代や施設を問わず離職理由のトップに挙がります。

    レバウェル看護の調査でも「人間関係」が最も多い退職理由として挙げられており、 職場の雰囲気が合わないことがモチベーション低下の一因となっています。

  2. 2夜勤による体力的・生活リズムの乱れ

    夜勤を伴う勤務では睡眠リズムが乱れやすく、慢性的な疲労や睡眠不足に悩む人が多いです。 「家族と生活がすれ違う」「休日も寝て終わる」といった声も多く、 夜勤による生活の不調が“辞めたい”気持ちを強める傾向があります。

  3. 3責任の重さ・プレッシャー

    医療現場ではミスが命に関わるため、常に高い緊張感が求められます。 特に急性期病棟や訪問看護では一人で判断を迫られることも多く、 精神的な負担から解放されたいと感じる看護師も少なくありません。

  4. 4患者・家族対応によるストレス

    暴言・クレーム・過度な要求など、患者さんやご家族からの対応に疲弊するケースも多くあります。 「頑張っているのに責められる」「感謝より不満を言われる」と感じると、 やりがいよりもストレスが勝る瞬間が増えていきます。

  5. 5給与・待遇への不満

    責任や業務量に対して給与が見合わないと感じる看護師も多いです。 夜勤手当や残業代が正当に支払われない、 昇給・ボーナスが少ないなど、待遇面の不満が離職に直結することもあります。

こうした傾向を知ることで、「自分だけではない」と感じる安心感を得られ、客観的に今の悩みを見つめ直すきっかけになります

※参考:株式会社R&G「看護師を辞めたい理由ランキング」(経験者182人アンケート調査)レバウェル看護公式Instagram調査「看護師が仕事を辞めたいと思う理由は?」SMS(エス・エム・エス)2024年調査

20代〜40代で違う看護師の離職理由を年代別に比較

看護師の「辞めたい理由」は年代によって異なります。20代前半では経験不足と責任の重圧が、30〜40代では仕事と家庭のバランスが大きなテーマとなります。

年代 主な離職理由 背景
20代前半 指導へのストレス、失敗への不安、職場の人間関係 経験不足と責任の重さ
30〜40代 子育てや介護との両立、収入に対する不満、体力的な限界 仕事と家庭のバランスを重視するため

年齢やライフステージに応じて抱える悩みが異なることを把握しておくと、自分に合った働き方を模索するヒントになります

新人・1年目の看護師が辞めたくなる原因と対処法

新人看護師や1年目で辞めたくなる人は少なくありません。慣れない業務や急変対応、先輩や医師との関係に悩み、毎日緊張が続く状況がストレスの原因です。

また、学生時代とのギャップや「自分だけできていない」という思い込みが、さらに不安感を強めることもあります。特に6月は試用期間が終わり病棟に配属される時期で、新人看護師が辞めたいと感じる一番のピークとされています。

  • 教育担当者やプリセプターに気持ちを共有する
  • メモや記録を工夫して復習しやすくする
  • 1人で抱え込まず、周囲と相談しながら進める

無理に一人で抱えず、周囲と相談しながら進めることで、乗り越えられるケースも多くあります。

※参考:ビナラボコラム「新人看護師が仕事を辞めたい時期とは?」

看護師を辞めたい時の辞めどきの見極め方!損をしないタイミングと判断基準

「辞めたい」と思っても、実際にいつ辞めるべきか、タイミングの判断は難しいものです。辞める時期によって、賞与や有給休暇、円満退職のしやすさが大きく変わるため、損をしないタイミングを見極めることが重要です。

ここでは、看護師が辞めてもいいタイミングの判断基準や、おすすめの退職時期、円満に辞めるためのポイント、そして辞めずに続ける選択肢についても解説します。

看護師の辞めどきとは?辞めてもいいタイミングの3つのサイン

看護師辞めてもいいタイミング

「もう限界かも」「このまま続けて大丈夫かな」と感じたとき、それが“やめどき”のサインかもしれません。
ここでは、現場で働く看護師が「辞めてもいい」と判断してよい3つのタイミングを紹介します。

辞めてもいいタイミングの3つのサイン
  • 心と体がついていかないとき
    夜勤や残業が続いて体調が崩れる、眠れない、食欲がない、出勤前に涙が出る――
    そんな状態は、身体が「もう休みたい」と教えてくれているサインです。無理を続けると回復に時間がかかることもあります。
  • 人間関係が原因で仕事がつらくなったとき
    師長や先輩との関係、チームの雰囲気が合わないなど、人間関係のストレスは看護師の離職理由で最も多いです。
    信頼できる相手に相談しても改善しない場合は、環境を変えることを前向きに考えてよいでしょう。
  • 成長や働き方の方向性が合わなくなったとき
    「このままここにいても変わらない」「学びがない」と感じ始めたら、次のステージに進む合図です。
    病棟から訪問看護、美容クリニックなど、看護師には多様なキャリアの選択肢があります。

看護師のやめどきは“逃げ”ではなく、自分を守り、次の一歩を踏み出すための判断です。
心や体、人間関係のバランスが崩れてきたときは、それがあなたにとってのタイミングかもしれません。

年度末・賞与後など看護師におすすめの退職時期

看護師の退職時期を決めるうえで重要なのは、「賞与」や「シフト更新日」など、病院特有の人事サイクルを把握しておくことです。単に年度末だからではなく、「人員配置や新人配属が動く時期」を意識することが円満退職のポイントです。

退職時期 メリット 注意点
3月末(年度末・人事異動前) ・異動や新人配属と重なるため区切りが良い
・看護師長も人員調整しやすい
・4月入職の求人が豊富
・病棟が繁忙期になりやすく、引き継ぎがタイトになることも
賞与支給後(6月末・12月末) ・賞与を受け取ってから辞められる
・半年ごとの人員再編の直前で比較的調整しやすい
・「賞与だけもらって辞めた」と言われやすい時期のため、伝え方に配慮が必要
シフト更新前(月末・月初) ・シフト作成担当者への負担を最小化
・夜勤回数や休日数が確定する前に動ける
・急な退職だと夜勤体制に影響が出るため早めの申告を

病棟ごとのシフト体制や夜勤人数を考慮し、「次の勤務表が確定する前に申し出る」のが最もトラブルが少ない方法です。

※参考:レバウェル看護「看護師の退職時期はいつがベスト?」

看護師が円満に辞めるための伝え方と引継ぎのポイント

医療現場では「突然辞める」はもっとも避けたいケース。患者ケアや夜勤体制に直接影響するため、まずは直属の看護師長に最初に相談するのが鉄則です。

看護師の円満退職の進め方
  1. 看護師長へ最初に相談する
    感情的にならず、「キャリアアップのため」「家庭との両立のため」など、前向きな理由で伝えるのがポイントです。
    職場への感謝を添えると、よりスムーズに話が進みます。
  2. 師長→主任→人事の順で話を通す
    病院は階層構造が明確です。
    直属ラインを飛ばして報告するとトラブルのもとになるため、正式な順番を踏むことが大切です。
  3. 引き継ぎは“患者単位”で整理する
    担当患者のADLや家族対応、服薬管理、注意点を簡潔に書面化し、後任者が困らないようにまとめましょう。
    患者情報の引き継ぎが丁寧だと、信頼を残したまま退職できます。
  4. 夜勤・シフトへの影響を最小限にする
    夜勤回数や休日が偏らないよう、最終シフトのバランスを確認しましょう。
    引き継ぎ・勤務調整まで責任をもつ姿勢が円満退職の鍵です。

特に病棟単位の人員不足が慢性化している職場では、「早めの相談」こそ最大のマナーです。最後まで誠実に業務を行うことで、退職後の推薦状や再就職にも好印象を残せます。

※参考:R&G「看護師が仕事を辞めるときの伝え方と注意点」

看護師を辞めずに続ける選択肢もある

「辞めたい」と思っても、必ずしも退職が唯一の選択肢ではありません。職場環境や働き方を変えることで、辞めずに続けられる可能性もあります。

辞めずに続ける選択肢
  • 夜勤免除の申請:体調不良や家庭の事情を理由に、夜勤を免除してもらえる場合がある
  • 部署異動・配置転換:人間関係が原因なら、別の病棟や外来への異動を相談する
  • 時短勤務・パート勤務への変更:正職員からパート勤務に切り替えることで、働きやすくなる
  • 休職制度の利用:心身の不調がある場合、一旦休職して回復を待つ選択肢もある

まずは上司や人事に相談し、働き方を変える選択肢があるかを確認してみましょう。それでも改善しない場合は、退職を検討するのが良いでしょう。

看護師を辞めたいと思ったらどうすればいい?

「辞めたい」と思ったとき、いきなり退職するのではなく、まずは自分の気持ちを整理し、冷静に状況を判断することが大切です。この章では、辞めた後の選択肢や後悔しないためのポイントを解説します。

看護師を辞めた後に選べる働き方の種類

看護師を辞めた後も、看護師資格を活かして働ける職場は病院以外にもたくさんあります。自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を選びましょう。

働き方の種類 特徴 こんな人におすすめ
クリニック・診療所 ・夜勤なし・土日休みが多い
・急変対応が少ない
・定時退勤しやすい
夜勤をなくしたい、規則正しい生活を送りたい
訪問看護 ・利用者の自宅を訪問
・夜勤なし(オンコールあり)
・自律的に判断できる
患者に寄り添いたい、在宅医療に興味がある
介護施設 ・医療行為が少ない
・体力的に楽
・高齢者ケアが中心
高齢者ケアに興味がある、体力的に楽な仕事がしたい
企業の産業看護師 ・土日祝休み
・デスクワーク中心
・福利厚生が充実
オフィスワークがしたい、規則正しい生活を送りたい
美容クリニック ・年収維持しやすい
・夜勤なし
・接客スキルが身につく
美容に興味がある、年収を下げたくない
保育園・幼稚園 ・子どもと関われる
・長期休暇あり
・子育てと両立しやすい
子どもが好き、子育てと両立したい
治験コーディネーター ・日勤のみ
・デスクワーク中心
・専門知識が身につく
キャリアチェンジしたい、医療に関わりたいが臨床以外がいい

看護師資格を活かせる職場は多岐にわたります。自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を選ぶことで、辞めずに看護師を続けることも可能です。

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看護師が後悔しない転職先の選び方!働き方別の特徴とポイント

看護師を辞めて後悔しない人の共通点

看護師として退職を経験した人の中でも、「辞めてよかった」と感じる人と「やっぱり戻りたい」と感じる人に分かれます。その差は、退職前の準備と現実的な見通しの有無にあります。

後悔しない看護師の共通点
  1. 夜勤手当・手取り額を把握して辞めている
    転職後の収入減少を理解し、生活設計を見直したうえで退職している。
  2. 復職制度や研修制度を確認している
    ブランクが空いても復帰できるよう、教育体制が整った職場を選んでいる。
  3. 看護師資格を活かせる転職先を選んでいる
    美容・訪問看護・企業看護師など、資格を強みにできる環境を選択。
  4. 職場のリアルを事前に確認
    見学・面談時に人間関係や夜勤回数までチェックしてミスマッチを防いでいる。

一方で、「勢いで辞めた」「ブランクが空いた」「収入計算をしていなかった」といったケースでは後悔が多く見られます。転職先選びも「今の不満を解消できるか」でなく「自分が続けられるか」で判断しましょう。

※参考:レバウェル看護「看護師が後悔しない転職をするための準備とポイント」

後悔する人に多いパターン
看護師が辞める上で後悔しないために気をつけること

一方で、以下のようなパターンで転職すると後悔しやすい傾向があります。

  • 勢いで辞めてしまい、次の職場が決まっていない
  • 給料や休日だけで選び、仕事内容や職場の雰囲気を確認しなかった
  • 転職理由が曖昧で、同じ悩みを繰り返している

転職は人生の大きな決断です。時間をかけて準備し、納得のいく選択をすることが大切です。

看護師を辞めたい気持ちを整理して後悔しない選択をしよう

看護師を辞めたいと思うことは、決して悪いことではありません。むしろ、自分のキャリアや人生を真剣に考えている証拠です。大切なのは、感情に流されず、冷静に状況を整理して判断することです。

この記事では、看護師が辞めたいと思う理由や辞めどきの見極め方、退職時の手続き、そして辞めた後の選択肢について解説してきました。辞めたい気持ちが強くなったときは、まず以下のポイントを確認してみましょう。

  • 辞めたい理由は何か? 具体的に書き出してみる
  • 辞めずに解決できる方法はないか? 部署異動や夜勤免除などの選択肢を検討する
  • 辞めるタイミングは適切か? 賞与や有給消化を考慮して損をしない時期を選ぶ
  • 次の職場は決まっているか? 在職中に転職活動を進めることで経済的な不安を減らせる

看護師を辞めることは、新しいキャリアを築くチャンスでもあります。病院以外にも、クリニック、訪問看護、介護施設、企業の産業看護師、美容クリニック、保育園など、看護師資格を活かせる職場は多岐にわたります。自分のライフスタイルや価値観に合った働き方を選ぶことで、看護師としてのキャリアを続けながら、より充実した生活を送ることができます。

転職を考えたら、転職エージェントを活用するのがおすすめです。プロのアドバイスを受けることで、自分では気づかなかった選択肢を見つけたり、条件交渉をしてもらったりできます。焦らずじっくりと準備を進めることが、後悔しない転職の鍵です。

看護師として培ってきた経験やスキルは、どんな職場でも高く評価されます。自分らしく働ける職場を見つけて、充実したキャリアを築いていきましょう

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