なぜ副業解禁が注目されているの?メリット・デメリットを教えて!

最近、日本の企業では「副業解禁」という動きが広まっています。実際、厚生労働省が作成している企業が就業規則を作る際に参考とする「モデル就業規則」という規則の中には副業や兼業を認めるガイドラインが初めて記述されました。このガイドラインやモデル就業規則は2017年に改定が終わり、2018年から普及させる段階へ移行しています。実際に2018年から副業を解禁している企業が徐々に出てきて、2018年は「副業解禁元年」とも呼ばれているのです。そこで今回は、なぜ副業解禁が注目されているのか?メリットやデメリットは何なのか?副業解禁について解説していきます。

企業が次々と副業を解禁する理由は?

そもそもなぜ2018年から副業解禁の流れが強まってきたのでしょうか?今までは会社員の副業は原則禁止が当たり前だったのですが、副業が解禁されるようになった社会的な背景などを解説していきます。

●副業が解禁されるようになった背景
副業が解禁されるようになった背景のひとつには、働き方改革があると考えられます。もちろん、社会問題としても取り上げられた長時間労働の是正や持ち帰り仕事の禁止などで労働時間の短縮を求められているという事情もあります。近年はそれらに加え、労働人口の減少にともなう人手不足や働き方自体が多様化してきたことで、会社員にも多様な働き方を求める人が増えたことが大きな理由となります。

そのような時代の流れに対応するように企業側は政府主導で多様な働き方を認めるような取り組みを始めており、そこから副業解禁の流れが生まれました。

●副業を解禁している主な企業
すでに副業解禁を容認する動きは始まっており、ロート製薬やコニカミノルタ、ユニ・チャーム、サイボウズ、新生銀行などさまざまな企業で副業や兼業がすでに解禁されています。

副業を企業が解禁する狙いは、多様な働き方を認めることで、社員のモチベーション向上を目指しているという一面もあります。実際に副業を解禁することで社員のモチベーションが向上しただけでなく、本業に役立つスキルが向上した、多様な人材が確保できたなどプラスの効果も表れている企業もあるようです。企業の中には副業(複業)採用など、副業として就労する人を募集する企業も出てきています。

副業を解禁する企業側のメリット・デメリット

企業も実際に副業解禁に動き出しているわけなのですが、企業が副業を解禁することでどのような影響を及ぼすのでしょうか?副業を解禁することの企業側のメリット・デメリットについて解説していきます。

●企業側のメリット
・人材の流出を妨げる
今は昔のようにずっと同じ会社だけに勤め続けるという風潮も薄くなってきて、より自分のスキルを生かせる企業やより待遇の良い企業への転職や独立を柔軟に行う人が増えてきています。

副業を禁止にしていると、たとえ会社にとって優秀な人材でも社員が自分のスキルと仕事のミスマッチや収入・待遇の不満を感じていたら転職などで人材の流出につながってしまうおそれがあります。

そこで副業を解禁することにより、社員が本業の給与や待遇など満足していない場合でも、副業による副収入があることで離職を思いとどまったり、自分の持つスキルを副業で活かすことにより社員の不満を解消することもできたりするので、離職を思いとどまる可能性が高くなり、人材流出防止に役立つというメリットがあります。

・社員の能力向上につながる
会社が社員の副業を解禁することが回り回って会社の利益向上につながることもメリットとして挙げられます。

副業は会社にように仕事が与えられるものではなく、自分から取りに行く、作り出すものです。なので、社員は副業を通じてひとつの業務に従事するだけでは得ることが難しい自分で考えて稼ぐプロセスを経験するようになります。こういった経験から、社員が主体的に仕事について考えるようになり自発的にスキルアップすることで、結果として会社全体の利益向上につながるのです。

・企業のイメージアップにつながる
メディアでも働き方改革や多様な働き方について取り上げられることが多くなり、世間の関心も非常に高いです。

昨今では、多様な働き方を企業が推進することで、企業のブランディング効果が見込めます。自由で働きやすい職場をアピールすることで企業のイメージアップにつながり、多彩なスキルを持つ人を採用しやすくなります。

●企業側のデメリット
・生産性が落ちるおそれがある
副業はあくまで本業ありきのものなので、本業の時間を削って副業をするということは多くの場合ありません。そのため、本業の仕事の後や、休日を使って副業を行っている人が多いです。

睡眠時間など休息の時間を削って副業をする社員が増えると仕事のパフォーマンスが低下しますので本業の生産性に悪影響が出る可能性があります。

・情報流出の危険性が増える
社員の中には本業で得た情報を元に副業を行う人が現れる可能性があります。このような社員が出てくるとまだ公開していない情報が社外に流出して多大な損害を被るリスクがあります。

このようなリスクがあるため、企業側は副業解禁前に本業で得た情報の取り扱いを就業規則で定めておくなどして予測されるリスクに対する対策を万全にしておく必要があります。

副業を行う社員側のメリット・デメリット

副業のメリット・デメリットは企業側だけでなく、社員側にも存在します。副業を始めることによる影響を理解しておかないと始める前より悪い状況になることもありますので社員側のメリット・デメリットを把握しておきましょう。

●社員側のメリット
・好きなことをお仕事にできる
「好きなことを仕事にする」というのは社会人が一度は夢見るものですが、実際は実現がなかなか難しいことがほとんどです。ですが、副業だと本業でできない仕事ができますし、自由意思でやることなので得意なことや好きなことに積極的に取り組むことができます。

本業では実現することのできない夢や目標を実現することができる可能性を持っているのが副業の魅力といえます。

・自分のペースでお仕事ができる
副業は自分のペースで仕事ができることも魅力のひとつです。本業の場合は会社の都合や方針があるので自分の思った裁量で仕事ができないことが多々あります。場合によっては

残業をしながら仕事をこなしている人も多いのではないでしょうか。

その点副業は自分の裁量でマイペースに仕事を進められますので残業が少ない可能性もあります。身体的な負担もストレスも比較的感じることなく続けることができるものが多いでしょう。

・副収入を得られる
生活面でのメリットといえばやはり副収入を得られることでしょう。本業の収入に加えて新たな収入源を立てることができますので、もし月々の支出が本業の収入だけでは厳しくなってきたときに副収入でカバーすることができます。

さらに、副業が軌道に乗れば支出のカバーどころか生活資金に余裕ができたり貯金が多くできたりすることもあるので、今よりも余裕のある暮らしが期待できるところも大きい魅力です。

●社員側のデメリット
・長時間労働になる可能性がある
前述しましたが副業は基本的に本業の合間に行うのが現状ですので、いざ始めてみるとプライベートの時間が多く削られることになる可能性が高いです。結果として長時間勤務している状態になって消耗してしまうリスクもあります。

副業は会社とはまったく関係なく自己責任でやるので、企業側が細かく状況を聞いてくることはありません。長時間勤務の状況に陥っていることを企業側が気づかない場合も多いので自分でリスク管理を行う必要があります。

・すぐに結果が出にくい
副業は時間を掛けて取り組むことでまとまった収入になるものが多いので、すぐに成果が出なくてもコツコツ続けられる人でないと向いていません。

副業は実績ゼロの状態で始めると報酬も最初は低いです。まとまった収入を得られるようになるには、高単価の仕事を獲得できるようにスキルや知識を身につけたり継続的に仕事を発注してくれる企業を見つけて良好な関係を築いたりと、ある程度の努力が必要なのです。

これだけの努力を本業の空いた時間の中でしっかりと取り組める人でないと副業を続けるのは難しいといえるでしょう。

本業と両立しやすいおすすめの副業

副業としてできる仕事は幅広く存在します。ここでは本業と両立しやすいおすすめの副業について解説していきます。

●ポイントサイト
副業の中でもかなり手軽に始められるのがポイントサイトでポイントを貯めることです。サイトに登録すると、アプリのインストールや口コミ投稿、会員登録、アンケートといったさまざまな募集があり、これらのタスクをこなすことでポイントを貯めることができます。

サイト内で獲得したポイントは現金や実際に買い物で使えるポイントと交換することで報酬を得るという仕組みになっています。これはスマホだけの簡単操作で完結するため、スキマ時間を活かして稼げますし、自分のタイミングで気軽に始めることができます。

手軽な方法なので1回の報酬もさほど多くはありませんが、コツコツ楽に収入を得たいという方にはおすすめの方法です。

●Webライター
副業として選ぶ人が多いのがブログやWebメディアなどで記事を執筆するWebライターです。専門的な仕事のイメージがありますが実際は特別な知識を必要としない仕事も多く募集しており、デスクワークで文書作成に親しんでいる方はすぐに慣れるのでおすすめです。

もちろん仕事の中にはある特定の知識や経験が求められるものもあり、そのような仕事は報酬も高いことが多いので、自身の得意分野の仕事を選んで受けていくと高報酬につなげられる可能性もあります。その他、自分でブログサイトを立ち上げてアフィリエイト報酬で稼ぐ人も多くいます。

●アンケートモニター
アンケートサイトなどに登録し、アンケートに回答する仕事です。これも多くの場合はポイントサイトと同様に回答することで換金可能なポイントを貰える仕組みになっています。特別なスキルが必要ないので非常にハードルが低く、気軽に始められます。

加えて、内容によっては指定された場所に行って、テーマに沿って議論するような仕事もあります。スマホやPCで回答するアンケートよりも高報酬の場合が多いので少しでも多く稼ぎたい人はこのような案件を狙うとよいでしょう。

副業は新しい自分の可能性を広げるチャンス

少し前までは会社以外の仕事をすることは許されず、密かに抱いている夢や目標を我慢したまま働くという人も多い時代でした。しかし時代が変わり、会社にいながら副業という新しいチャレンジができるチャンスが今後もっと増えていくことでしょう。

このチャンスを上手く活かすことで自分の新しい可能性を広げることができます。メリットやデメリットもちゃんと把握した上で、ぜひ副業にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。