准看護師制度はいつから廃止?廃止論の理由や廃止されたらどうなるかを解説

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准看護師として働く中で、制度の今後について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
「制度はいつ廃止されるの?」「自分の資格はどうなるの?」と先行きが見えず、将来に備えて動くべきか迷っている方もいるかもしれません。
こんな疑問を抱えていませんか?
- 准看護師制度 廃止はいつ?
- 准看護師制度 廃止の理由は?見直しの背景とは?
- 准看護師制度 廃止されたらどうなる?現職者への影響は?
- 正看護師になるにはどうしたらいい?資格取得の方法は?
- 制度が廃止される前に何を準備しておくべき?
この記事では、准看護師制度 廃止に関する議論の背景や理由、現職・学生への影響、正看護師への移行方法、制度終了前に検討すべきキャリアプランまで丁寧に解説します。
准看護師制度はいつから廃止されるのか?現時点の動向
現時点では、准看護師制度の廃止は正式に決まったわけではありません。しかし、日本看護協会を中心に、准看護師を廃止して正看護師に一本化する議論が進められています。
具体的な廃止時期は未定ですが、段階的に准看護師の人数が減少したり、制度が縮小される可能性があります。
ここでは、現在の准看護師制度や廃止論に至る歴史的な経緯について解説します。
現在の准看護師制度とは?正看護師との違いとできる業務
准看護師と正看護師の違いは、免許の交付主体や養成課程、業務の裁量など多岐にわたります。
准看護師は都道府県知事が免許を交付する資格であり、正看護師は厚生労働大臣が免許を交付する国家資格です。
准看護師は医師や正看護師の指示のもとで看護業務を行うのに対し、正看護師は自らの判断で看護計画の立案から実施・評価までを担います。 また、管理職への昇進なども正看護師がほとんどです。
| 項目 | 准看護師 | 正看護師 |
|---|---|---|
| 免許交付 | 都道府県知事 |
厚生労働大臣 |
| 学歴要件 | 中学校卒業 | 高校卒業 |
| 養成課程 | 2年以上の課程修了+都道府県試験 | 3年以上の課程修了+国家試験 |
| 業務の位置づけ | 医師・正看護師の指示下で補助業務を実施 | 主体的に看護業務を実施 看護計画の立案や評価を行う |
准看護師資格は比較的短期間で取得することができますが、幅広い看護業務を担当したい場合は正看護師になる必要があります。
准看護師制度の廃止は昔から議論されている
准看護師制度は戦後の看護師不足に対応するために創設されました。
当時は医療体制の整備が急務であり、短期間の養成で医療現場を支える人材を確保する必要があったため、准看護師は正看護師よりも短い教育期間で資格を取得できる仕組みとして導入されました。
その後、准看護師は地域医療を支える存在として、長年にわたり正看護師の補助業務を中心に活躍してきましたが、1990年代頃から、日本看護協会を中心に「看護教育の一本化」や「准看護師制度の廃止」が本格的に議論され始めるようになります。
現在まで具体的な廃止時期や方針は示されていませんが、医療の高度化によって看護職に求められる知識や技術が増したことで、今後も制度の縮小や教育の統一に向けた議論が続くと考えられています。
なぜ准看護師制度の廃止が議論されているのか?その理由を解説
准看護師制度の見直しが進められている背景には、医療の高度化や看護教育の在り方の変化、准看護師の減少といった複数の理由があります。
制度見直しの方向性と理由を把握しておくことは、今後のキャリアを考えるうえで非常に重要です。
医療の高度化に伴って教育内容や技術レベルの格差が問題に
准看護師制度の廃止が議論される最も大きな理由は、近年の医療の高度化に伴って、看護の現場でより専門的な知識やスキルが求められるようになったからです。
正看護師は3年の課程で看護計画の立案方法や、臨床判断など幅広く学びますが、准看護師は2年の課程の中で基礎的な看護技術を中心に学ぶことになります。
学習時間と実習の量には明確な差があり、複雑な疾患への対応や瞬時の判断が求められる場面では、准看護師の教育内容では対応が難しいという指摘が増えています。
その結果、看護サービスの質を一定に保つには教育内容の統一が必要という考え方が強まり、准看護師制度の廃止が議論されるようになったのです。
准看護師の数は減少傾向にある
そのほかの理由としては、准看護師を目指している人の数が長期的に減少しているという点が挙げられます。
厚生労働省によると、看護師の人数自体は年々増加しているものの、准看護師の人数は減少傾向にあります。
この背景には、准看護師制度は将来的な見直しが検討されているため、学生が最初から正看護師を目指す傾向が強まっているからだと考えられます。
さらに、准看護師養成所の数が全国的に減少していることや、給与や昇進などの面で正看護師との差があることも、准看護師を選ばない理由となっています。
日本医師会は准看護師の廃止に反対している
一方で、日本医師会は准看護師の廃止に反対意見を表明しています。
日本は高齢化が進行しており、慢性的な看護師不足に悩まされています。特に地方の診療所や小規模病院では准看護師が医療体制を支えていることも多いため、准看護師制度の急な廃止は人員不足を引き起こす危険性が高いです。
このように、医療現場の実情と地域差を踏まえると、准看護師制度の廃止には慎重な判断が求められています。
准看護師制度が廃止されたらどうなる?現職者への影響を整理
准看護師制度が廃止された場合、すでに准看護師として働いている人の扱いは、現時点では正式に決まっていません。
しかし、現職者にどのような影響があるのかを把握しておくことは、将来のキャリア設計にとって非常に重要です。
ここでは、准看護師が廃止された際に起こり得ることについて詳しく解説します。
制度が廃止されても資格はそのまま働き続けられる
准看護師制度が仮に廃止された場合でも、すでに資格を持つ准看護師が直ちに働けなくなるような扱いは考えにくいとされています。
医療資格に関する制度変更では、現場への混乱を避けるために経過措置が設けられることがほとんどです。准看護師制度についても、新規養成を縮小しながら既存の准看護師は一定期間そのまま働き続けられる仕組みが採用される可能性が高いです。
特に地方の診療所や介護施設では准看護師が不可欠な戦力であることも多いため、資格を突然失効させる制度変更は現実的ではありません。
ただし、准看護師制度が廃止されると、病院や介護施設では新規の求人募集が無くなっていくと考えられます。
現在准看護師として働いている人は、経過措置期間に、正看護師資格の取得を検討するようにしましょう。
正看護師を目指すための支援制度が整備される可能性もある
准看護師制度の見直しが進む中で、准看護師が正看護師を目指しやすいように支援制度が拡充される可能性があります。
現在でも奨学金や学費補助、進学サポート制度が用意されていますが、看護制度の一本化が本格化すると国や自治体による支援策がさらに拡大されることが予想されます。
また、准看護師を雇用している医療機関側も、准看護師から正看護師へのキャリアアップを支援する動きが進み、働きながら学ぶ環境が今より整備されていくと考えられます。
准看護師を目指す学生への影響
准看護師制度の見直しが進むと、現職者だけではなく、これから准看護師を目指す学生への影響が大きくなると考えられます。
養成所の募集停止や定員削減が続くと進学先の選択肢が少なくなり、准看護師資格を取得することが以前よりも難しくなる可能性があります。
また、病院や介護施設では新規の准看護師募集が少なくなっていく可能性もあります。
現在准看護師を目指している学生の方は、正看護師資格の取得も視野に入れて、今一度自分の将来のキャリアについて考え直すことが大切です。
廃止されるかもしれない准看護師から正看護師を目指すには
准看護師制度の縮小が進むと、正看護師資格を取得するメリットはこれまで以上に大きくなります。 将来の雇用安定や働ける領域の広さを考えると、正看護師資格の取得を検討しておくことが重要です。
ここでは、准看護師から正看護師になる主なメリットと、具体的な資格取得ルートについて解説します。
准看護師から正看護師になるメリット
正看護師になる最大のメリットは、働ける分野や役割が大きく広がり、キャリアの選択肢が増える点です。
正看護師は看護計画の作成や判断を伴う業務を担えるため、手術室・ICU・訪問看護など活躍できる領域が増えます。また、昇進や役職への登用でも正看護師が中心となるため、管理職や専門職を目指せる環境も広がります。
給与面でも正看護師のほうが高く、長期的な収入と雇用の安定性が高いことは大きな魅力です。
| 項目 | 准看護師 | 正看護師 |
|---|---|---|
| 平均年収 | 約390万円 | 約470万円 |
| 昇進・役職 | 管理職への昇進は限定的 | 看護師長などに昇進が可能 |
| 雇用安定性 | 非正規・パート勤務が比較的多い | 正社員の募集が豊富 |
| 業務内容 | 医師・正看護師の指示で業務を実施 | 主体的に看護業務を実施 |
| 主な勤務場所 | 一般病棟・介護施設が中心 | 手術室や訪問看護など幅広く活躍 |
正看護師を目指すための具体的な方法について解説
准看護師から正看護師を目指すルートは、大きく3つに分けることができます。
| 通学形態 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 全日制 | 2年で資格取得が可能 通学負担が大きい |
最短で資格を取得したい人 |
| 定時制 | 3年間で資格取得が可能 夜間や土日に通学 |
日中に勤務を続けながら正看護師になりたい人 |
| 通信制 | 2年で資格取得が可能 自宅学習中心でスクーリングや実習のみ通学 |
家庭・仕事と両立したい人 |
全日制は最短で資格取得が可能ですが、通学負担が大きく、仕事との両立は難しいというデメリットがあります。 一方、定時制や通信制課程は、仕事と両立しながら正看護師資格を取得することが可能です。
自分のライフスタイルや実務経験などから、無理なく続けられる通学形態を選ぶことがポイントです。
正看護師になるための費用と給付金や奨学金制度について解説
正看護師を目指す際に気になるのが学費ですが、国や自治体の制度を活用すれば負担を大きく減らすことができます。
代表的なのは「専門実践教育訓練給付金」で、条件を満たせば学費の最大50%(上限年間40万円)が支給されます。また、自治体や病院が提供している奨学金制度も多く、卒業後に一定期間勤務することで返済が免除されるケースもあります。
費用面で不安がある場合は、自分が受けられる給付金や奨学金がないか探してみましょう。補助金制度は内容が更新されることが多いため、こまめに最新情報を確認しておくことが大切です。
准看護師制度はすぐには廃止されない!ただし自分に合ったキャリアプランは考えよう
現時点では、准看護師制度の廃止は正式に決まっておらず、急な制度変更が行われる可能性は高くありません。 しかし、教育の統一や専門的な人材確保の観点から制度縮小の流れは続いており、今後は正看護師が主軸になる方向で議論が進むと考えられます。
准看護師として働き続けることは可能である一方、将来的には新規募集が減ったり、キャリアの選択肢が狭まったりする可能性があることも理解しておく必要があります。
制度の変化に備えるうえで大切なのは、「今後どのように働きたいのか」「どんな場所で活躍したいのか」を早めに考えておくことです。
現在は、准看護師として働きながら正看護師を目指せる定時制課程や通信制課程、さらに学費を支援する給付金制度など、キャリアアップを後押しする環境が整いつつあります。
将来の選択肢を広げるためにも、一度立ち止まって自分のキャリアを見直し、正看護師資格の取得を検討してみてください。