扶養家族で所得や収入ってどう変わる?理解しておきたい扶養控除の条件

扶養家族という言葉をよく聞きますが、実際にはどのような人が当てはまるかご存知ですか? たとえば15歳の子どもは税制上では扶養家族に該当しません。身近な言葉だけによく知っているような気になりますが、細かいところは意外とあいまいなのかもしれません。 今回は扶養家族、そのなかでも子どもとご両親についておさらいをしてみましょう。子どもがアルバイトをはじめるときやご両親を扶養に入れるとき、どのような点に注意が必要かについてお伝えします。そのときに大切になる「所得」と「収入」という考え方も、しっかりと学んでくださいね。

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扶養家族とは? 知っているようで知らないその定義を再確認

日常的に使っている扶養家族という言葉ですが、実際には2つの定義があります。それは税制上と社会保険上のものです。まずは税制上の扶養家族=扶養親族についてご説明します。

●扶養親族の範囲と年齢

扶養親族とは、納税者(一家の大黒柱)の扶養控除の対象となる人をさします。その範囲は、納税者から6親等内の血族(血縁関係のある人)と、3親等内の姻族(結婚によって納税者の親族となった配偶者の血族)です。

年齢にも決まりがあり、その年の12月31日時点で16歳以上の人とされ、年齢の上限はありません。扶養控除の金額は、扶養親族の年齢に加えて納税者と同居しているかどうかにより変わります。なお、配偶者は配偶者控除、または配偶者特別控除の対象となるため、扶養控除については対象外です。

●扶養控除の対象となる条件

扶養親族の範囲内なら、どんな人でも扶養控除の対象となるわけではありません。収入面での条件があります。納税者と生計をひとつにしていることと、年間の所得が38万円以下であることに加えて、青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていない、または白色申告者の事業専従者でないことが条件とされています。

生計をひとつにしているかどうかというのは、日常生活をともにしているかどうかです。同居をしているのが一番わかりやすいですが、子どもが学業のために遠方で暮らしている場合や、親が老人ホームなどに入っている場合で生活を支えている場合には、生計をひとつにしているとみなされます。

青色申告と白色申告の事業専従者という言葉が出てきましたが、これはつまり、納税者が自営業者の場合で、扶養控除の対象者がその事業に従事しているかどうか、またはそこから給与の支払いを受けているかどうかを問うものです。

●大切なのは収入ではなく所得

扶養控除を受けられるかどうかのポイントとなるのは、控除対象者の年間の所得です。パートやアルバイトなどの給与収入を得ている場合には、収入から給与所得控除などを引いたものが所得で、この年間の所得額を超えないように収入の調整をすることが大切になります。

扶養親族とは【子どもの場合】

子どもを扶養している場合には、アルバイトによる収入の累計額に注意しましょう。子どもの年齢によって控除の金額が増える期間がありますので、しっかりと確認をしておいてください。

●子どもの場合は年齢によって扶養控除額が変わる

扶養控除額は、子どもの年齢によって金額が変わります。16~19歳未満の場合と23歳以上は38万円で、19~23歳未満は特定扶養親族に該当するため63万円と約1.7倍になります。19~23歳未満は、子どもが大学に進学した場合には大学4年間に相当します。アルバイトによる給与収入の場合、所得を含めた年間の収入が103万円以下なら扶養控除の対象者になります(基礎控除38万円+給与所得控除の65万円=103万円)。

●16歳未満の子どもは扶養親族ではないのか

この記事の冒頭で扶養親族の条件のひとつに、「その年の12月31日時点で16歳以上の人」があることをご紹介しました。では、16歳未満の子どもでは、扶養親族として扶養控除を受けることはできないのでしょうか。その答えは「できない」です。

平成19年4月に児童手当(制度発足当時「子ども手当」)が導入され、0歳から15歳(中学校終了前)まで一定の金額が支給されるようになりました。それにともない、15歳までの子どもは扶養控除の対象外となったため、扶養控除を受けることができません。

●稼ぐペース配分が大切

子どもが高校や大学に進学する際には、注意が必要です。夏休みや冬休みなど休みが長いため、普段からアルバイトをしている場合には、所得や収入の自己管理が大切になります。扶養控除の場合、配偶者控除と違って年間の所得をオーバーしてしまうと、すぐに控除が受けられなくなってしまうため、バイトのペース配分を考えるよう子どもにアドバイスしましょう。

扶養親族とは【両親の場合】

ご両親を扶養家族にする場合にも、子どもの場合と同様に年齢と所得の制限が設けられています。同居しているかどうかがポイントになりますので、その点を含めて詳しくお伝えします。

●ご両親の場合は、年齢と同居しているかどうかで扶養控除額が変わる

ご両親の場合には、老人扶養親族に該当するかどうかで控除額が変わります。収入の制限内(年間所得38万円以内)であれば、扶養控除は38万円ですが、その年の12月31日時点でご両親が70歳以上になる場合には、老人扶養親族となるため48万円に上がります。

それに加えて同居している場合には、さらに10万円が加算されて58万円になります。ここで気になるのが「同居」の定義です。自宅から近くても老人ホームなどに入居している場合には同居とみなされません。仕事の関係などで両親と別居をしていても、生活費や療養費などの継続的な仕送りを通帳などで証明できれば同居とみなされます。

●年金を受給している場合に所得はどう計算するか

年金は収入ですので、ご両親が年金を受給している場合、所得はどのように計算されるか確認しましょう。公的年金を受給している場合であれば、控除額が高くなります。公的年金とは、国民年金や厚生年金、共済年金、企業年金で、生命保険による個人年金は対象外です。

年金収入額から公的年金等の控除額を差し引いて計算した結果が所得ですが、理解しやすい収入で考えると、基礎控除に公的年金の非課税枠を加えた金額が上限となります。65歳未満か65歳以上で公的年金の収入に対する非課税分が変わってくることを考え合わせると、年齢別の収入の上限は次のようになります。

・65歳未満の場合:108万円(基礎控除38万円+公的年金の非課税枠70万円)

・65歳以上の場合:158万円(基礎控除38万円+公的年金の非課税枠128万円)

扶養には、税金と社会保険の扶養がそれぞれあることを覚えておこう

ここまでは税制上の扶養について見てきましたが、扶養にはもうひとつ大切な要素があります。健康保険や年金などの社会保険上の扶養です。こちらは税制上の扶養とは条件が異なります。

税制上の扶養と社会保険上の扶養は条件が異なる

扶養を考えるときには、税制上の扶養と社会保険上の扶養があり、それぞれに条件が異なることを押さえておいてください。社会保険上で扶養家族(被扶養者)になるには、年収が130万円未満、つまり平均月額10万8333円以内であることが条件です。

それに加えて、社会保険では扶養家族とするかどうかの判断に過去1年間の実績ではなく、収入の見込み額を使用します。判断基準は各健康保険組合によって異なり、直近数か月の給与明細を使用するケースやひと月でも平均月額を超えたら扶養を外れるなどさまざまです。

社会保険で扶養家族に入っているうちは、納税者が保険料を支払い、扶養家族は保険料を支払わないで済んでいます。しかし、扶養家族から外されてしまうと、自分で社会保険料を支払わなければならなくなりますので注意しましょう。

●ご両親の場合は、収入金額の上限が子どもより高い

ご両親の場合には、59歳以下なら年収130万円未満、60歳以上なら年収180万円未満(平均月額15万円未満)であることが社会保険上の扶養家族に認定される条件です。75歳以上になった場合には(75歳の誕生日当日から)、後期高齢者医療制度に加入しますので、扶養家族から外れることになります。

家計の負担が増えないように、扶養家族にとっては所得の管理が大切

扶養控除とは、養わなければならない扶養家族が多いことを考慮して設けられた税制上の特典です。社会保険上でも、扶養家族は保険料の支払いをする必要がありません。このような措置を受けるためには、年齢や所得など、定められている扶養家族の条件を満たしている必要があります。

所得税の扶養は年間の所得実績で判断しますが、社会保険の扶養は見込み額ですので、月収に注意しましょう。dジョブスマホワークには、扶養範囲を超えないように調整しやすい仕事がたくさん掲載されていますので、是非のぞいてみてください。

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